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駅出入り口の点字ブロック 自転車が占拠

宮城野原駅の出入り口付近を埋める自転車。点字ブロックが利用できなくなっている

 仙台市宮城野区のJR仙石線宮城野原駅で、出入り口付近の点字ブロックを駅利用者の自転車が占拠している。約4カ月間、改善する傾向はなく、視覚障害者や点字ブロックに対する市民の理解不足を象徴する光景が続いている。
 問題になっているのは、宮城野原公園総合運動場側の出入り口。地下の駅への階段と歩道をつなぐ点字ブロック上に自転車が置かれ、視覚障害者が安全に通行できなくなっている。
 通勤で駅を利用するバリアフリー研究者の永幡幸司福島大准教授(46)によると、点字ブロックの占拠は6月20日ごろから。近くの国立病院機構仙台医療センターの移転工事が本格化し、総合運動場内に「違法駐輪」していた自転車が追い出されるように駅出入り口前に移ってきた。
 「あれだけ自転車が点字ブロックの上に密集していると確実にぶつかる」。現場を訪れた仙台市視覚障害者福祉協会の高橋秀信会長(49)は指摘する。
 視覚障害者は点字ブロックの上に障害物がない前提で歩く。「私たちは点字ブロックの上は安全だと思い通常の速さで歩く。自転車と勢いよくぶつかりけがをしたり、白杖(はくじょう)を折ったりする恐れが強い」と危ぶむ。
 宮城野原駅には医療センター側の出入り口近くに市営駐輪場があるが、信号付きの横断歩道を渡るのが面倒なのか、運動場側出入り口付近への駐輪が後を絶たない。取材中も若い女性が点字ブロックの上に自転車を置いた。記者が声を掛けるとけげんな表情を浮かべ、無言で駅へと去った。
 永幡さんはJR東日本に繰り返し対策を求めた。駐輪禁止を呼び掛けるテープが張られるなどしたが、解決には至っていない。
 JR東日本仙台支社広報室は「自転車が占拠している部分は県の土地なので対応する立場にない」と説明。総合運動場を管理する県教委スポーツ健康課は「JRから相談は受けた。対応に苦慮している。近くJRや医療センターを交え協議する」と話した。
 8月に東京、10月には大阪で、視覚障害者が駅のホームから転落して死亡する事故が起き、安全な社会の在り方が課題になっている。永幡さんは「点字ブロックを使う視覚障害者の存在を意識しない人が大勢いる証し。宮城野原駅だけの問題ではない。点字ブロックの上には物を置かない。それが早く社会の共通認識になってほしい」と訴える。
 永幡さんは、宮城野原駅に障害物(バリアー)がたくさんあるとしてホームページ「バリアフル宮城野原」を開設し、6月下旬から経過を公開している。


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2016年10月21日金曜日


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