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除染廃棄物仮置き場 集水機能せぬ恐れ

(参考)ドローンで撮影した画像から作成した仮置き場の3Dデータ。雨水がたまる量などを推定し、シートの破損を予測する

 東京電力福島第1原発事故で発生した福島県内の除染廃棄物仮置き場31カ所で、廃棄物からしみ出す水を集めるため仮置き場中央から端に向けて設けられた勾配が、廃棄物の重みで地盤沈下して機能しなくなる恐れがあることが20日、会計検査院の調査で分かった。
 検査院は2012年度から15年度までに完成した除染廃棄物仮置き場106カ所のうち廃棄物を入れたフレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)が高く積み上げられている田村市、川俣町、楢葉町、浪江町、飯舘村の34カ所について、現地調査したほか、設計図や構造計算書を精査した。
 31カ所の底面で中央部がフレコンバッグの重みで沈下しており、設計上は中央から端に水が流れるようになっていたが、逆になる恐れがある。本来はフレコンバッグの重量や地盤の固さを考慮して設計する必要があったが、そうした条件に対する配慮がなされていなかった。各仮置き場の中央部で想定される地盤沈下量は20センチ以上が6カ所、10センチ以上20センチ未満が22カ所、10センチ未満6カ所。
 検査院は地盤沈下量はあくまで設計などを基にした計算値であるとしながら「フレコンバッグを中間貯蔵施設に搬出する際、水が仮置き場の外に出ないようにする処置など作業上の影響が出る恐れもある」と指摘した。
 また、同時に発表した別の調査では、全国27市区町で防災行政無線が設置される公共施設の耐震性が不足したり、耐震診断が行われていなかったりして、地震発生時に防災情報を発信できない可能性があることも判明した。
 東北では相馬市の防災行政無線の親局1基が、今月6日まで設置されていた旧市役所庁舎の耐震性が不十分で、市内全域に設置される子局467基で受信できない可能性があった。現在は親局が新庁舎に移設されているため、同市は「現状では問題ない」と説明している。


2016年10月21日金曜日


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