宮城のニュース

ITベンチャーCS 仙台が一大拠点化

仙台市内にCS拠点を構える企業の担当者らが集まった交流会。企業間の情報交換は頻繁に行われる

 仙台市中心部で大手ITベンチャー企業のカスタマーサポート(顧客支援、CS)業務の一大拠点化が進んでいる。2000年前後から集積する携帯電話会社などのコールセンターで働いた経験者が多く、人材が豊富なことが背景にある。関係する採用人数は1500人超が見込まれ、仙台市も東日本大震災後に立地促進を強化。市中心部は全国有数の「CS聖地」に発展しつつある。
 仙台市によると震災後、市中心部にCS業務の拠点を置いた主なIT企業は表の通り。モバイルゲーム運営のグリー(東京)は7月、CS部門を独立させた新会社「ExPlay(エクスプレイ)」を開業。最大拠点をJR仙台駅近くに置いた。
 親会社のゲームに関する問い合わせに加え、他社のCS業務も受託。現在の140人体制から来年は200人規模を目指す。阿久沢伴寛社長は「仙台は東京からのアクセスが良く、親会社や委託元と常に行き来できる」と強調する。
 消費者向けのゲームやアプリを扱うIT企業のCSは、想定問答に従った受け答えにとどまらず、柔軟な個別対応など広い裁量が与えられる。トラブル対応はブランドイメージに直結するだけに、CSから会社本体への迅速なフィードバックは必須。従事者は質の高い人材が求められる。
 日米でフリーマーケットアプリを運営するメルカリ(東京)は約150人規模のCS拠点を構え、不正行為の監視や出品の取り消し、不正をした利用者への対応を原則的に完結させている。
 担当者は「仙台はコールセンター経験者が多いため、人材の質が高い。今では日本のCSを変える『聖地』だ」と高く評価する。
 CSの拠点化は、求職者に人気が高い事務職の雇用創出にもつながる。仙台圏の事務職の有効求人倍率は0.39倍(8月)。CS業務の拡大に求職者の期待は大きい。
 仙台市は震災後、CSの正社員雇用への助成金額を倍増させるなど立地促進に力を入れてきた。市の担当者は「CSはパート職員の雇用でコストを下げるより、正社員で質を上げる傾向にある。経験者の多い仙台の強みが生きる」と意気込む。


関連ページ: 宮城 社会

2016年10月22日土曜日


先頭に戻る