宮城のニュース

<杜の都のチャレン人>気軽に相談 集う場に

「法的な相談にも乗れるので、ぜひ活用してほしい」と話す森田さん=仙台市青葉区木町通のよつば司法書士行政書士事務所

◎児童養護施設を退所した若者を支援 森田みささん(50)

 仙台市青葉区木町通のビルの一室に設けられた小さなスペースには、4人掛けのテーブルと書棚に、ソファが二つ。児童養護施設を退所した若者向けの交流サロン「虹の谷」だ。「勉強したり漫画を読んだり、何でもいい、好きに使ってもらいたい」。穏やかにそう話す。
 児童養護施設の子どもたちと出会うきっかけは東日本大震災だった。所属する宮城県司法書士会が、震災孤児の未成年後見人を引き受けることを決めたからだ。孤児を含む7人の後見人を務める中で、18歳に達し施設を退所した子どもたちが、実社会で多くの困難に直面していることを知った。
 病院の利用方法やタクシーの乗り降り、就職先を訪問する際の服装…。家庭で育った子なら、親から見聞きするなどして解決できそうな事柄が乗り越えられない。ささいなつまずきの蓄積は、孤立を深める原因になる。
 組織的なアフターケアの重要性を痛感して2015年、NPO法人「ほっぷすてっぷ」を設立、理事長に就いた。サロンは、そんな子たちが集まり、共通の悩みを語り合う場になれば、との願いから生まれた。
 語らいの場の先に見据えるのは、子どもたちが経済的困窮から抜け出し、自立するまで支援するシェアハウスの設立だ。
 アパートの賃貸契約の際、施設出身者は保証人探しで苦労することが多い。結果的に住み込みの職場を転々としたり、風俗産業に流れたりする子が出てきてしまう。落ち着いて生活の基盤を築くためにも、住居の確保は不可欠だ。
 関わった子たちからは、夜中でも電話が来るほど信頼が厚い。ハウス実現のためにも、今は一人でも多くの施設出身者にサロンの存在を知ってもらうことが重要だ。「近所のおばちゃんだと思って、気軽に何でも話してほしい」(や)

<もりた・みさ>66年仙台市生まれ。宮城二女高卒。89年、司法書士試験合格。02年、宮城県司法書士会に登録。翌年、市内で開業。若林区在住。サロンは火・木・土曜日に開設。「ほっぷすてっぷ」の連絡先は022(399)9427。


関連ページ: 宮城 社会

2016年10月22日土曜日


先頭に戻る