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<全町避難>富岡の保全資料 大学で企画展

福島県富岡町の民家から運び出した文書などの資料が並べられた企画展=福島大

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町と福島大が保全した同町の地域資料に関する企画展が22日、福島市の大学図書館で始まった。避難長期化に伴い地域性の保持が難しくなる中で、先人の足跡や暮らしの記憶を守る必要性を発信する。30日まで。
 町の専門チームが原発事故後に町内の民家から資料を搬出し、学生が整理作業を担当。今回は手紙や帳簿類など31点を展示した。
 資料は富岡の多様な表情を示すほか、地域の人々が何を思って生きていたのか、その一端を伝える。
 ある民家で保全した終戦の年の日記には、戦争は「いまいましき」ものという思いが吐露されている。家の来歴を記した「由緒書」からは、先祖が懸命に時代をつないだ跡が分かる。
 同日あったシンポジウムでは福島大の徳竹剛准教授が「富岡の地域資料保全活動が語るもの」と題して講演。「日常生活の積み重ねが私たちの大切な歴史となっていることを、歴史を断絶させられた地域は強く発信している」と述べ、富岡での取り組みが人々の歴史意識を変える可能性があることを指摘した。


2016年10月23日日曜日


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