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<田部井さん>被災高校生と登山、励ます

2015年7月、静岡県側の富士山5合目で、東日本大震災で被災した福島県などの高校生らと気勢を上げる田部井さん(前列左から2人目)

 登山家の田部井淳子さん=福島県三春町出身=の訃報が伝わった22日、東北の関係者からは悲しみの声が上がった。

 田部井さんは古里を襲った原発事故に心を痛め、被災者の気持ちを少しでも安らげようと一緒に山を登る活動などに取り組んだ。
 田部井さんが名誉町民となっている三春町の鈴木義孝町長は「震災後は三春をはじめ県内に何度も足を運び、元気を届けてくれた」と振り返り「町民にとって大きな存在だった。ショックだ」と肩を落とした。
 12年からは、被災した東北の高校生と富士山に登るプロジェクトを主催。今年8月の登山でも7合目まで登って高校生にエールを送った。
 3度同行したカメラマン渡辺幸雄さん(51)=長野県松本市=は、途中で泣きだす女子高生に声を掛けたり励まし合ったりしていた姿が印象に残る。「目標を達成する喜びを若い人に味わってもらうのが田部井さんの夢だった。これからも続けたいと言っていた。本当に残念だ」と悼んだ。
 68歳で乳がんの手術を受けた後、がん性腹膜炎を患い、闘病を続けてきた田部井さん。今年7月には秋田県内のがん患者らと仙北市の秋田駒ケ岳を登った。
 一緒に登った藤井婦美子さん(68)=秋田県美郷町=は「足取りはとても軽やかで、突然の訃報が信じられない。一緒に山登りができたことが幸せだ。一生の思い出になった」と声を詰まらせた。


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2016年10月23日日曜日


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