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<汚染廃棄物>宮城県 基準以下を一斉処理案

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物について、宮城県が県内の焼却施設で一斉処理を進める方針を固め、市町村との調整に入ることが23日、分かった。自治体の焼却施設での混焼を想定。11月3日に市町村長会議を開催し、全首長に提案する。
 混焼は、仙台市や栗原市など単独自治体で抱える焼却場と、市町村でつくる広域行政事務組合が運営する計15程度の施設での実施を想定。構造上、汚染廃棄物の処理が難しい塩釜市の清掃工場は除外する。
 混焼処理に向け、県は半年ほど試験焼却を実施して安全性を確認し、本格焼却に着手したい考え。自治体ごとに抱える汚染廃棄物の量にかかわらず、全市町村が足並みそろえて取り組む態勢を整える。
 国の基準以下で市町村が処理責任を負う汚染廃棄物は約4万トンある。自治体ごとの保管量は表の通り。現在、県が放射能濃度の測定を進めている。ほかに、基準を超すとされながら未指定の廃棄物2500トンを国が再測定しており、基準を下回る廃棄物はさらに増える可能性がある。
 試験焼却は、汚染牧草やほだ木計520トンを焼却した実績のある仙台市の方式を参考にする見通し。焼却による放射能濃度の上昇を防ぐため、汚染廃棄物と生活ごみを混焼する。周辺の空間放射線量などのデータは全て公開する。
 焼却灰も自治体の最終処分場で埋め立てる方針。焼却処理を軸にしながら、堆肥化や、土に混ぜ合わせるすき込みといった手法も検討する。全ての廃棄物処理を終えるには数年かかる見通しで、一連の費用は全額国に負担を求める。
 11月3日に35市町村長を集めて開かれる会議では、県が廃棄物の放射能濃度の測定結果を報告した上で、一斉処理の方針を提案。各市町村での協議を踏まえ、12月に再び会議を開き、合意が得られれば年明け以降に試験焼却を始める。
 全域で応分の負担を分かち合うことで、県は停滞が続く処理問題の打開を図る構えだ。ただ焼却施設の処理能力や住民不安を懸念する自治体もあり、受け入れが円滑に進むかどうかは不透明となっている。


2016年10月24日月曜日


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