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<ハワイ津波対策>底上げへ研修強化に力

国際津波情報センター所長のコング氏

 米国ハワイに拠点を置くユネスコの国際津波情報センター(ITIC)が力を入れるのは、太平洋沿岸各国の津波防災対策の底上げだ。津波警戒システムの国際化が進んでも、各国の住民に警戒情報が伝わらなければ、命を守る避難に結び付かないからだ。センターの活動とハワイの津波対策について、ローラ・コング所長に聞いた。
 各国の気象機関職員らを対象に年1回、2週間の日程で研修を実施している。米太平洋津波警報センター(PTWC)から津波警戒情報を受けた場合、各国内で津波警報の発令や避難指示をどう進めるかの手順を学んでもらっている。
 研修プログラムを強化したのはスマトラ沖地震(2004年)後。近年はそれが中心的な業務になった。
 PTWCは14年に活動方針を変更し、各国に「津波警報」を直接発令するのではなく、より拘束力の弱い形で「予報」を出すことにした。各国の判断と異なると住民が混乱しかねないためだ。情報を活用する各国機関への啓発活動がより重要になっている。
 津波犠牲者の9割以上は近くの海域で起きる「近地津波」で生じる。「遠地津波」に対応する国際連携に加え、各国の地域レベルでの啓発も課題と言える。
 ハワイは1946年のアリューシャン地震、60年のチリ地震などで深刻な津波被害を受けたが、ワイキキビーチのあるオアフ島に津波に注意を促す標識はない。ホテル関係者に設置を働き掛けてきたが、理解を得るのは難しいのが実情。
 ただ悲観はしていない。サイレンを鳴らすテストは毎月実施している。地域では地道な防災活動も続けられている。


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2016年10月25日火曜日


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