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<復興へのリレー>仲間とのプレー支えに

湊小体育館ではつらつと練習するレッドライオンズのメンバー

◎石巻・スポーツの群像(2)女子ミニバスケットボール 石巻レッドライオンズ

<休部後に再始動>
 東日本大震災の津波で被災し、再建した宮城県石巻市湊小の体育館に元気な声が響く。女子ミニバスケットボールチーム「石巻レッドライオンズ」の選手たちが週3回、練習に汗を流す。
 主将の湊小6年菅松瑞生(みずき)さん(12)は「湊小体育館で練習し、みんなでパスを回すのが楽しい。人数が増えてレッドライオンズとして試合に出られる」と喜ぶ。
 レッドライオンズは震災で一時休部し、今年春に再スタートしたばかりだ。

<他チームと合流>
 2011年3月11日。湊小は津波に襲われ、体育館はバスケットゴール付近まで浸水。ユニホームはヘドロにまみれた。自宅を失ったり、転校を余儀なくされたりした児童がいた。12人在籍していたメンバーは7人までに減った。
 ミニバスケは公式戦に出るために10人の選手が必要だ。阿部遼太コーチ(30)が震災後、奔走した。「震災で子どもたちの努力が絶たれるのはよくない。こんな時こそ、一生懸命バスケに打ち込める環境をつくりたい」
 同市稲井小を拠点とする「稲井シューターズ」に合流を依頼。快諾を得て、10年以上活動してきたレッドライオンズの名はいったん消えうせた。
 ともにOGの佐藤綾芳(あやか)さん(17)、鈴木李歩(りほ)さん(17)は湊小5年のときに震災に遭った。小学校最後の1年は、シューターズのメンバーと一緒にプレーした。稲井小まで通う負担は増えたが、「バスケを続け、仲間に会えることがうれしかった」と口をそろえる。
 2人は現在、石巻好文館高(石巻市)の2年でバスケ部に所属する。仲間と一緒にバスケに熱中することが、震災で傷付いた気持ちを支えてきた。
 再始動したレッドライオンズは、今度は逆に団員不足となったシューターズの稲井小児童を仲間として受け入れる。1〜6年の約15人がバスケを楽しむ。

<大人を力づける>
 その姿は大人にとっても前に進む力となる。親の会会長の菅松周恵(ちかえ)さん(40)は「子どもたちが楽しんだり、悔しがって泣いたりする姿を保護者も共有できる。幸せです」と言う。
 レッドライオンズは、震災前にOGから贈られたボールを選手たちが大切に受け継いできた。津波で汚れたボールを子どもたちが丁寧に磨いた。
 OGの佐藤さん、鈴木さんが9月、久しぶりに訪れた湊小体育館で、顔を見合わせて笑う。「ボールはこんなに小さかった?」
 ゲーム形式の練習に加わって後輩たちとコートを駆け、シュートを放った。
          ◇         ◇         ◇
 東日本大震災の最大被災地、宮城県石巻市ゆかりの人々が東北のスポーツ界で活躍している。子どもから大人まで、選手や指導者、競技を支える住民…。震災からの復興を願いながら一線で奮闘する思い、群像を描く。(石巻総局・水野良将)


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2016年10月26日水曜日


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