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<東通原発>民間船での広域避難訓練

避難所で説明を受けるむつ市からの参加者=青森県平内町体育館

 青森県は25日、東北電力東通原発(青森県東通村)の重大事故に備えた防災訓練を実施した。自衛隊や県警など90機関と原発周辺の住民計約1700人が参加。原発が立地する下北半島から青森港(青森市)まで民間船による広域避難訓練を初めて行うなど、緊急事態下の初動対応を確認した。
 落雷で非常用電源が稼働せず、原子炉を冷却できなくなったと想定。原発から半径30キロ圏の5市町村(同県むつ市、野辺地町、横浜町、六ケ所村、東通村)から住民をどう安全に避難させるかを試みた。
 むつ市では住民18人が海路での広域避難を体験した。脇野沢漁港で「シィライン」の高速船に乗船。青森港からバスで平内町の避難所へ向かい、計3時間15分かけて移動した。
 受け入れ先の平内町体育館では、5市町村から陸路と海路で約190人が避難してきたとの想定で訓練した。町の担当者は避難者の住所や名前、病歴などを確認した上で、避難スペースに誘導した。隣接の駐車場では、陸上自衛隊の化学防護車が放射性物質で汚染された乗用車を簡易除染する訓練を初めて実施した。
 シィラインでの避難に参加したむつ市の主婦坂本智子さん(74)は「緊急時の避難経路は確認できたが、悪天候時にスムーズに避難できるか不安。福島のような事故が実際に起きたら今回の想定では不十分だと思う」と話した。
 三村申吾知事は「民間船での海路避難など具体的な訓練を試みることができた。さらに安全な避難ができるよう課題を探りたい」と述べた。
 県は3月、東通原発の重大事故に備えた広域避難指針を策定した。想定される避難住民は約7万1500人。陸路と海路で青森、弘前、黒石、五所川原の4市と平内町で受け入れる。


2016年10月26日水曜日


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