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<大川小訴訟>専門家はこう見る

大川小津波訴訟の判決公判が行われた仙台地裁の法廷=26日午後(代表撮影)

◎踏み込んだ判決だ―東大大学院法学政治学研究科・米村滋人准教授(民法)の話

 踏み込んだ判決との印象で、学校側に厳しい判断だ。誰でも地震後に動転することはあり得るため、適切な避難をさせる法的責任を負わすべきだとは容易に言えない。広報車の呼び掛けを判断のポイントとしたのは、同じ裁判長が指揮した常磐山元自動車学校津波訴訟の仙台地裁判決を踏襲した。事前対策の不備は今回も不問とされたが、「想定外でも被災する」が東日本大震災の教訓。今後の自然災害訴訟では見過ごされるべきでない。

◎係争避けたかった―早稲田大文学学術院・喜多明人教授(教育法学)の話

 「津波被災が予見できたかどうか」ではなく「予見し、どう避難しようとしたのか」が問われるべきだった。学校現場には子どもの命を預かっているという自覚の下、広く被災を予見すべき専門的な義務が求められている。一般に想定されている災害を超えて、可能な限りの災害の予防に努めることが必要だ。復旧復興を進める中、地元の関係者同士が裁判で争うことは、できれば避けたかった。第三者による調査委員会や検証委員会が機能していれば最善だった。
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 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は26日、「教員らは大津波の襲来を予見でき、裏山に児童を避難させるべきだった」と学校の責任を認め、計約14億2660万円の支払いを命じた。学校の管理下で震災の津波の犠牲になった児童生徒を巡る司法判断は初めて。


2016年10月27日木曜日


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