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車いすの避難迅速に 階段へ簡易スロープ

スロープを使った車いす避難を体験する参加者ら=名取市の特別養護老人ホーム「うらやす」

 防災や減災などの活動に取り組む関西のグループが、東日本大震災の教訓を基に高齢者らが車いすのまま階段を避難できる簡易スロープを考案し、普及を進めている。身近な材料で簡単に作れる上、軽量で持ち運べるのが特徴。東北の被災地の高齢者施設でも体験試乗を行い、関心を呼んでいる。

 考案したのは、経済産業省近畿経済産業局の元職員らでつくる自主研究会「夢創造の会」。スロープは木製で、2枚の板をそれぞれ車いすの左右の車輪が載るように加工し、器具で階段に固定する。長さは階段に合わせて作る。3メートルの場合、板1枚は5キロ程度で取り外しも簡単だ。材料はホームセンターなどで市販されており、費用は1組1万5000円程度という。
 同会は、南海トラフなどの巨大地震に備え、2014年から東北の被災地の高齢者施設を訪ね、研修を実施。車いす利用者の避難対策の重要性を実感し、昨年から兵庫県内の施設と共同で開発してきた。
 災害時、施設のエレベーターが停止した場合は階段を使って避難しなければならない。市販のスロープは主に金属製で重く、段差が小さい玄関用が中心。そのため、階段に簡単に設置できるタイプを目指した。
 関西では既に複数の施設が導入しているという。東北の施設にも紹介しようと20日、名取市の特別養護老人ホーム「うらやす」を訪れ、試乗を兼ねた勉強会を開催。近隣の施設も含め職員ら約20人が参加し、スロープを使い非常階段での車いすの移動を体験した。
 参加者の1人は「震災時は車いすを持ち上げて上階に避難し、大変な思いをした。車いすを押したまま避難できるので、大幅な時間短縮になる。導入を検討したい」と評価した。
 夢創造の会代表世話人の川端俊次さん(66)は「高齢者施設に限らず、避難所となる学校などでも利用可能。東北でもぜひ活用してほしい」と話す。


2016年10月27日木曜日


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