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鳥獣被害が続出…狩猟免許取得 秋田で増加

7月に由利本荘市であったフォーラム。実際に銃の重さを確かめることができたほか、ジビエ料理のコーナーも設けられた

 秋田県内の狩猟免許の取得者が増えている。本年度は108人が試験に合格し、統計を取り始めた1992年度以降最少だった2010年度の28人の4倍近くになった。増加の背景には、試験の土日開催や自治体の補助制度などに加え、ツキノワグマをはじめ鳥獣被害の増加で狩猟の役割が見直されていることもあるようだ。
 県内の狩猟免許試験合格者数の推移はグラフの通り。県内の合格者は02年度の115人以降、趣味の多様化や、受験費用と銃の購入に金がかかるといった経済的問題などから減少傾向が続いた。
 危機感を抱いた県は13年度から、試験の開催日を会社員でも受けやすい土日にし、回数も年3回から4回に増やした。14年には、県猟友会会員の体験談などを通して若者に狩猟の魅力を伝えるフォーラムの開催も始めた。
 免許の取得にかかる費用の一部を市町村が補助する動きも広がりつつある。
 鹿角市は13年度から、第1種とわな猟免許を取得しようとする市内の20歳以上を対象に、受験に必要な講習料など費用の9割を助成している。制度を利用して15年度までに11人が免許を取得した。「第1種免許の取得には約13万円かかるため、負担が減ったと好評だ」(市農林課の担当者)という。補助制度は北秋田市や羽後町など5市町村でも設けている。
 受験を促すこうした取り組みに加え、クマなどによる人や農作物への被害が増えたことで、駆除の手段として狩猟の社会的要請が高まったことも免許取得者増加の要因とみられる。
 県内では鹿角市で5〜6月、クマに襲われたとみられる男女4人が相次いで死亡。県によると、今年のクマの捕獲数は15日現在で450頭と、統計が残る76年以降最多だった01年の年間420頭を既に上回った。450頭のうち、個体数を調整するため春先に計画的に行う捕獲を除いた有害駆除は431頭で、猟友会が駆除に当たる出番も増えている。
 県猟友会副会長の虻川信一さん(71)=大館市=は「以前の狩猟は趣味として楽しむ人が多く、免許を持つことはステータスの一つだった。近年は免許取得の目的が多様化し、中でも駆除など社会貢献のため、という人が増えてきた」と指摘する。

[狩猟免許] 散弾銃とライフル銃を使用できる第1種、空気銃だけの第2種、網猟、わな猟の4種類がある。第1種、第2種免許の取得には都道府県公安委員会が行う射撃講習料など約13万円が必要。網猟、わな猟免許は登録手数料など約1万円がかかる。1974年に8800人以上いた秋田県内の免許所持者は、2014年には2148人に減り、うち60歳以上が8割近くを占める。


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2016年10月27日木曜日


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