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<不登校の現場から>居場所を求めて相談増加

授業で対人関係の大切さを学ぶ生徒。室内には笑い声があふれる=仙台市太白区のフリースクールだいと

 文部科学省が27日公表した2015年度問題行動調査で、いじめなどにより学校に通えなくなった県内の小中学生数は2839人に達した。全体に占める割合は全国ワースト2位で、新たな居場所を探す子どもや家族が増えている。学習支援や学校への復帰を促す取り組みなど教育現場の模索を報告する。(報道部・鈴木俊平)

◎模索する教育現場(上)もう一つの学校

<中高生50人在籍>
 私服姿の中高生約20人で埋まった教室に、和やかな笑い声があふれる。授業は午前10時から午後3時まで。主要教科に加え、人と人との関わりなども学ぶ「もう一つの学校」だ。
 2004年に設立された仙台市太白区のフリースクールだいと。教員資格を持った職員3人が常駐し、不登校になった中高生約50人が通う。高卒認定試験、介護などの資格取得を支援するほか、ボランティア活動も積極的に実施し、子どもの自立をサポートする。
 ある男子生徒(16)は集団行動が苦手で、中学1年から不登校となった。4年前、利府町から仙台市内に引っ越し、だいとに出合った。男子は「目標を後押ししてくれる自由な雰囲気がいい」と話し、今は毎日休まず「学校」に通う。
 だいとには昨年、500件以上の相談が寄せられ、うち約200件はいじめを経験した子どもの保護者からだった。いじめによる児童生徒の自殺が全国的に相次ぐなどしたため、問い合わせは増加傾向にある。
 依然として「不登校は恥ずかしい」と悩んで相談できずに孤立し、支援施設などを見つけられずにいるケースも少なくないという。

<他県から移住も>
 関係者によると、仙台市内にあるフリースクールは10カ所ほど。支援施設が乏しい東北各地から、新たな学びの場を求めてたどり着く親子もいる。
 北東北の小学校で不登校となった男子生徒(13)は4月、だいとに通うため父(47)、母(45)の家族3人で仙台市内に移住した。父は1時間以上かけて勤務先に遠距離通勤する。
 男子には軽度の発達障害があるが、学力的に問題はない。支援学級に入った小学校で、普通学級の児童からいじめを受けて体調不良となり、休みがちになった。
 父親は「1年以上探したが、近くで希望に合う施設は見つからなかった。子どもが楽しそうに通う姿を見ると、移住の決断をして良かった」とかみしめる。

<受け入れ先不足>
 今回の問題行動調査で明らかになった県内の不登校者は小学校567人、中学校2272人。学校の授業に出なくても「保健室登校」などで出席扱いになっている児童生徒もおり、実態は公表された数値より高いとみられる。
 だいとの石川昌征代表は「受け入れ先は圧倒的に不足している。不登校に直面する子どもたちを支える土壌をつくるには、社会全体で問題を認識し理解することが欠かせない」と訴える。


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2016年10月28日金曜日


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