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<仮設商店街>前向き卒業 石巻31日閉鎖

今月いっぱいで閉鎖される石巻市立町の仮設商店街。住民や支援者への感謝を胸に再起を図る

 宮城県石巻市の石巻立町復興ふれあい商店街が31日で閉鎖される。東日本大震災で被災した商店主が再建の足掛かりにしようと、2011年12月に営業をスタート。退去を迫られた危機もあったが、結束して維持してきた。今後の生活への不安を抱えながらも、最後の週末となる29日は音楽イベントを開き、それぞれが次のステップに踏み出す。
 24店舗で始まった仮設商店街は当初、2年間の予定だった。スポーツ店を営む梅雅弘さん(62)は「その頃には街も復旧すると思っていた」と明かす。
 しかし、参加した市街地再開発は昨年になって頓挫し、自力再建しようにも人件費や資材の高騰に戸惑った。
 期限は一度延長され昨年12月末に設定されたが、多くの店が移転先を決められず、市に要望して10カ月の延長が認められた。
 梅さんは最終的に今年2月に現地再建を決断。新店舗は年末にも完成する。「広さは以前の約半分だが、身の丈に合った商売をしたい」と先を見据える。
 震災から5年7カ月余り。石巻市の街はまだ復興の道半ばだ。
 旧北上沿いの同市八幡町で被災した青果店の磯崎洋一さん(66)も現地再建するが、目の前に架かる新内海橋の工事はまだ橋脚が姿を現した程度。完成は20年度の予定で、商売を左右する人通りや車の流れはなかなか見通せない。
 磯崎さんは「思ったより整備が進んでいない。どうなろうが、生まれた土地に帰るだけ」と自分に言い聞かせるように語る。
 仮設商店街の開設当初から営業する弁当店は閉鎖を機にいったん店を閉める。店長の武山さとみさんは仮設住宅暮らし。防災集団移転先の二子地区は造成に時間がかかり、宅地の引き渡しは来年10月の見込み。家を建てて住めるのは18年になる。
 「あっという間の5年だったので少し休みたい」と武山さん。「今度の住宅地でも商売ができるのか、ゆっくり考えたい」と気負わずに人生設計を描く。
 商店街では29日、仙台市のミュージックベルグループなどが参加し、最後の週末を音楽で盛り上げる。
 店主でつくる仮設店舗会の会長で電器店経営の佐藤秀博さん(60)は「商店街のコミュニティーや外部の人とつながる場が消えるのは残念だが、終わりではなく卒業と考えて前向きに最終日を迎えたい」と語る。

[石巻立町復興ふれあい商店街]石巻市中心部の民間駐車場に中小企業基盤整備機構がプレハブの長屋を整備した仮設商店街。現在は起業を目指す新規店を含め理髪店や喫茶店など15店舗と、市が設置する農林漁業者の支援センターが入居する。仮設店舗会によると、閉鎖を機に4店舗が閉店する方針。10月末で入居期限が切れ、来年3月末までに解体される。


2016年10月28日金曜日


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