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<不登校の現場から>連携課題体制整備急ぐ

不登校の児童生徒や保護者が相談に訪れる「りんくる みやぎ」=名取市の県総合教育センター

◎模索する教育現場(下)手探りの支援策

<相談、2千件超>
 名取市の県総合教育センター内にある不登校・発達支援相談室「りんくる みやぎ」。不登校や進路の悩みなど年間2000件を超える相談が寄せられ、面談は1カ月先まで予約が埋まることもある。
 併設する県子ども総合センターでは、教員らが15歳未満の子ども向けに週4日のデイケアサービスを実施し、約20人が工作や料理、自主学習などを通じて学校復帰を目指す。
 サービスの利用を望む声は年々高まっている。療育デイケア班の井上三千代班長は「小人数だからこそ、きめ細かい支援ができる。スタッフは限られており、受け入れ数を増やすのは容易でない」と思い悩む。
 増加に歯止めが掛からない不登校問題の解決へ糸口をつかんでもらおうと、県総合教育センターでは教職員向けの研修会も開催する。いじめの未然防止や児童生徒への対応法のほか、専門チームによる長期研究や講師派遣などで、学校をバックアップする。
 担当者は「対策にマニュアルはなく、個々のケースに向き合うしかない。学校と家庭がうまく連携できるよう多角的に支援を継続したい」と話す。

<対応チーム発足>
 県内全域で相談体制を強化するため、県教委は本年度、市町村教委や県保健福祉部などと連携し支援チームを発足させた。市町村に配置するスクールソーシャルワーカーや心のケア支援員を約50人増やした。
 東日本大震災で被災した気仙沼市など8市町に「心のケアハウス」を新設。元校長らが保護者の相談や児童生徒の学習支援に取り組む。電話や訪問による地道な取り組みが功を奏し、学校復帰につながった例も報告され始めている。
 県教委義務教育課は「不登校は複数要因が絡み合っている。支援を通じて実態をつかむしかない」と現実の難しさを説明する。
県議会が提言へ
 県議会も昨年12月、超党派の「いじめ・不登校等調査特別委員会」を設置し、県内外の学校やフリースクールなどの視察で、対策や改善点を模索する。生徒ごとの指導計画書の作成や夜間中学校の設置などを盛り込んだ提言を11月、議会で報告する方針だ。
 宮城教育大教育復興支援センターの野沢令照副センター長は「まず不登校に対する社会の偏見を変えなければならない」と指摘し、「NPOや企業など従来の枠を超えたネットワークを広げる必要があるのではないか」と強調する。


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2016年10月29日土曜日


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