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<大川小訴訟>遺族 市議会の良心を示して

会見でメッセージを示す原告遺族

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟を巡り、遺族側は29日、市内で緊急記者会見を開いた。30日の市議会臨時会で市が提出する控訴の関連議案が審議されることを受け「心が折れる。市議会の良心を示してほしい」と議案の否決を切望した。
 原告の遺族11人が参加。「子供たちの声が届いた判決に、市長は従ってください」「これ以上、苦しめないで!」などとメッセージを記した紙を手で掲げ、思いを口にした。
 6年生だった長男堅登君=当時(12)=を亡くし、4年生だった長女巴那(はな)さん=同(9)=の行方が分からない鈴木義明さん(54)は「仙台地裁判決には納得がいかないけれど、納得しようと思っていた。亀山紘市長は敗訴したらすぐに控訴する考えだったのだろう。残念だ」と非難。
 3年生だった一人息子の健太君=当時(9)=が犠牲となった佐藤美広(みつひろ)さん(55)は強調する。「わが子を失い、市長の言動で深く傷つけられている。市議には思いを酌んでほしい」
 遺族側は30日午前9時ごろから、市役所前で街頭活動をする。市議や市民に対し、命の大切さや控訴断念の必要性などを広く訴える。午後は臨時会を傍聴する予定だ。
 5年生だった次女千聖(ちさと)さん=同(11)=を失った紫桃(しとう)隆洋さん(52)は「まだ声は届くはず。人として血の通った判断ができる方々だと信じたい」と願う。
 大川小では津波で児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。
 26日の地裁判決は「教員らは大津波の襲来を予見でき、裏山に児童を避難させるべきだった」と学校の責任を認め、計約14億2660万円の支払いを命じた。
 亀山市長は28日、判決を不服として控訴する方針を表明。「学校管理下で多くの児童が命を失ったことに、遺族の方々には申し訳ないと思っているが、判決を見ると学校の防災教育に非常に大きな影響を与える」などと理由を述べた。


2016年10月30日日曜日


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