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漱石との関わり 茂木さんら語る

夏目漱石の世界を探った記念講演会

 東北大と河北新報社は29日、両者による地域貢献事業「東北みらいプロジェクト」の一環として、同大ホームカミングデーに合わせた記念講演会を仙台市青葉区の東北大百周年記念会館川内萩ホールで開いた。
 没後100年を迎える夏目漱石の世界や東北大との関わりなどをテーマに、脳科学者の茂木健一郎氏ら3人が講演し、来場した市民960人が聞き入った。
 茂木氏は「わたしの中の漱石」と題し、「こころ」などの作品を独自の視点で分析。「漱石は人間の不安や恐怖など、心のやっかいさを真っすぐに見詰めた人」とした上で、「知性とは、どうしようもない心を制御するために生まれるものだと感じさせられる」と語った。
 東北大大学院文学研究科の長谷川公一教授は、東北大と漱石とのつながりなどを解説した。漱石の門下生で、東北帝大教授となった哲学者阿部次郎やドイツ文学者小宮豊隆らの歩みをひもとき、「弟子らによって、漱石が築いた学際的な知的サロンの文化が東北大や仙台にもたらされた」と指摘した。
 小宮の働き掛けで、東北大図書館に設けられた「漱石文庫」の魅力を、仙台文学館学芸室長の赤間亜生さんが説明。漱石の蔵書だけでなく、家庭の様子をつづった日記など、ありのままの姿に触れられる資料が保存されていることを紹介し「ぜひ多くの人に知ってほしい」と呼び掛けた。


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2016年10月30日日曜日


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