岩手のニュース

<あなたに伝えたい>娘3人立派に育ててくれた

富久子さんの仏前で、秋穂さんからの手紙を読む喜一さん
佐々木富久子さん

◎佐々木喜一さん(岩手県山田町)から富久子さんへ

 喜一さん お母さんに良い報告があります。三女の秋穂が9日に結婚式を挙げました。相手はお母さんもよく知る健太です。「幸せにします」と言ってくれたので安心してください。
 私がお母さんと結婚したのは約40年前でしたね。看護師だったお母さんに喫茶店で一目ぼれをした半年後のことでした。
 私はタンカー船の船員をしていて、結婚後も家を空けることが多かったのですが、ささいなことでも笑い話にして家族の日常を教えてくれたのを覚えています。
 お母さんはとても教育熱心で3人の娘を立派に育ててくれました。明るくてしっかりとした、私にはもったいない奥さんです。
 震災の日、私は仕事で東京にいてテレビで津波を知りました。家では津波注意報などが出たらいつも避難していました。今回もちゃんと避難しているだろうと思っていたら、見つからないと連絡がありました。
 すぐに駆け付けたかったのですが、交通機関が止まっていて、青森県を経由してたどり着いたのは約1週間後。安置所で対面すると、現実なんだなと思い知らされて涙があふれました。
 秋穂が結婚式で読んでくれた手紙に「お父さんとお母さんのように支え合い、家族を一番大切にする夫婦になりたい」とありました。お母さんは本当に私の支えでした。
 お母さんがいないと家にいても寂しくて、60歳を超えたのに仕事を続けています。引退したら2人でゆっくり温泉巡りの旅に行こうって言ってたのになあ。

◎三女の結婚式「両親のような夫婦に」

 佐々木富久子さん=当時(54)= 岩手県山田町大沢の自宅で夫喜一さん(64)、長女智里さん(38)夫婦、2人の孫と6人で暮らしていた。智里さん、清夏さん(34)、秋穂さん(29)の3姉妹を育てた。津波に襲われた翌日、自宅で見つかった。逃げ遅れたとみられる。


2016年10月30日日曜日


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