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<大川小訴訟>石巻市議会が控訴可決

起立採決の結果、賛成多数で控訴関連議案を可決した石巻市議会

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族への損害賠償を市と宮城県に命じた仙台地裁判決を巡り、市議会は30日の臨時会で、判決を不服として控訴する市提出の関連2議案を賛成多数で可決した。市は期限の11月9日までに控訴する。県も市の対応に同調する方針。遺族側は県の対応を見極めた上で控訴するかどうか判断する。
 亀山紘市長は本会議で、津波の予見と結果回避の可能性の2点について「受け入れ難い」と強調。「小学校は指定避難所で教員は大規模津波を予見できなかった。児童だけでなく地域住民を含む100人以上が7分間で崩壊の危険がある裏山に無事に避難できたとは考えていない」と述べた。
 市議が「どういう話し合いで控訴に至ったのか」などと追及。採決は議長を除く出席議員26人で行われ、過半数の16人が賛成した。
 終了後、亀山市長は「苦渋の選択だった。議会での議論も重かった。控訴審で争点の2点について明らかにしたい」と話した。
 傍聴席には遺族も多く詰め掛けた。6年生だった長男大輔君=当時(12)=を亡くした原告団長の今野浩行さん(54)は「予想だにしなかった結果。言葉も出ない。最大被災地の石巻では子どもの命を見捨てるということか」と憤った。
 村井嘉浩知事は30日、「市議会の決断は非常に重く、意思を尊重したい」との考えを示した。31日に幹部会を開き、意思決定する。
 判決によると、大川小教職員は地震発生後の約45分間、児童に校庭で待機するよう指示。午後3時37分ごろ、校庭近くの北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)に向かう途中で津波にのまれ、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明となった。
 判決は、市広報車が避難を呼び掛けた午後3時30分ごろには教員らが大津波の襲来を予見し、認識したと認定。「裏山は避難場所として何ら支障がなく、堤防付近への避難は不適当だった」とし、計約14億2660万円の支払いを命じた。


2016年10月31日月曜日


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