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<この人このまち>下北一筋 未来デザイン

知恵と工夫があれば、地域はまだなんとかなる

 青森県風間浦村の古川たらこさん(43)は地域密着型のデザイナーとして、下北半島の魅力を国内外に発信する。デザインの力を使って地元を元気にしようと活動する古川さんに、少子高齢化と過疎に直面する地域で描く未来デザインを聞いた。(むつ支局・勅使河原奨治)

◎風間浦村のデザイナー 古川たらこさん

 −代表作の「マグロ一筋」Tシャツはローカルの枠を超え、グローバルな知名度になった。
 「大間町の人の一直線な人柄を表現した。アテネオリンピック柔道で銀メダルを取った町出身の泉浩選手の応援団が着ていたことで爆発的なヒットになった」
 「全国販売する誘いがあったけれど断った。仲間と話し合って、大間に来なければ買えないようにした。南極観測隊員が着ていたのには驚いた」

 −作品が「地デザイン」と評されている。
 「高知県の中山間地域にある会社を視察し、自分の立ち位置が定まった。そこで『1地域1デザイナー』という言葉を聞いた」
 「地域のことを一番知っているデザイナーでなければ、地域のいいところは表現しきれないという考え方だった。地元の人が誇りに思える作品を心掛けている」

 −むつ市など下北の自治体職員らの似顔絵入り名刺も数多く手掛けている。
 「おしゃれな感じや格好いいとされる感じからは外れるようにしている。田舎くさい感じの方がぬくもりがあっていいと思っている。青森市出身で亡くなった消しゴム版画家のナンシー関さんの画風に憧れてタッチをまねている」

 −18歳で上京し、28歳でUターンした。
 「雑誌に載っている生活を何一つ実現できない暮らしが嫌で村を出た。上京して夢見た生活を実現してみたけど、満足感はなかった。売りたい側の宣伝に乗せられていただけだった」

 −村の下風呂(しもふろ)温泉街に9月、クラウドファンディングで資金を募り、カフェをオープンさせた。
 「地域づくりもデザインと同じだと思っている。外から来る人たちに地元をどのように見てほしいかが大事。まずは人が集まれる場所が必要だった」

 −未来の地域デザインは。
 「知恵と工夫があれば、地域はまだなんとかなる。『たらこでできるなら』といろんな人が出てきて、いろんな価値観を取り込み、地元が元気になってくれることを思い描いている」

[ふるかわ・たらこ]1973年風間浦村生まれ。本名古川美香。二松学舎大卒。首都圏で会社員を経て2001年にUターン。14年1月、古川デザイン室を開設した。


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2016年10月31日月曜日


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