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<台風10号>メーカー応援 被災工場フル稼働

豪雨被害を乗り越えてフル生産に入った岩手アライ=岩手県岩泉町小本

 台風10号豪雨で甚大な被害が出た岩手県岩泉町で、工場が被災した自動車部品製造の「岩手アライ」がほぼフル稼働の生産へと回復させた。同社は国内外に高品質の部品を供給してきた。被災直後、主要メーカーの社員が復旧作業の応援に続々と駆け付け、早期の生産再開を果たした。
 岩手アライは荒井製作所(茨城県つくば市)が1985年に設立した生産子会社。従業員233人が働き、オイル漏れを防ぐオイルシールやエンジンバルブなどを製造する。グループのマザー工場として国産車から海外の高級車、最高峰のF1マシンに至るまで部品を供給する重要拠点だ。
 台風10号では工場裏の川が氾濫。設備が水没し、操業できなくなった。従業員は帰宅して無事で、工場で警戒に当たっていた社員も上階で難を逃れた。
 台風被害の2日後、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の20人を皮切りに、トヨタ自動車、ホンダ、ヤマハ発動機が社員を続々と投入した。
 最大約40人態勢の応援チームの方針は「やれるところからやる」。メーカーごとに分かれている検査工程の復旧にも会社に関係なく取り組んだ。ヤマハのオートバイ生産などに遅れが生じたものの、岩手アライは被災から約2週間後の9月15日に生産を再開した。
 東日本大震災や熊本地震の経験から、災害に強いサプライチェーン構築は各社共通の課題。ホンダは今回、「状況把握と早期復旧に向け、一刻も早い現地入りと現場の判断を重視した」(広報担当者)という。
 岩手アライ敷地内に年度内に完成予定のトヨタ車向け新工場も、打撃を受けた地域経済の光明となる。同社管理部の上中延隆課長代理は「各社の団結力と素早い決断に感謝している。雇用を守り、替えの効かない製品を作り続ける」と意気込む。


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2016年10月31日月曜日


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