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<千葉麻美>ラストラン「幸せな気持ち」

現役最後のレースとなった1600メートルリレー決勝を終え、花束を受け取る千葉

 陸上の日本選手権リレー最終日は30日、横浜市の日産スタジアムであり、今大会で現役を引退する女子400メートル日本記録保持者の千葉麻美が所属する東邦銀行(武石、千葉、新宮、青木)は1600メートルリレー決勝で、3分42秒09の2位だった。優勝は3分41秒26の記録を出した東大阪大敬愛高。
 千葉は福島県矢吹町出身の31歳。福島大1年だった2004年6月のアジア・ジュニア選手権400メートルで当時の日本記録を塗り替える52秒88を出した。08年には北京五輪に出場。日本選手権は3連覇を含め、5度制した。08年5月に出した51秒75の日本記録は現在も破られていない。

◎選手と母親両立

 女子400メートル日本記録保持者の千葉の現役最後のレースは2位だった。1600メートルリレー決勝で目標の優勝には届かなかったが「幸せな気持ちでいっぱい」。レース後に花束を受け取り、笑顔で声援に応えた。
 「女子の短距離は世界で勝負できない」。周囲の厳しい言葉をはね返そうと突っ走った。2005年、400メートルで女子初の51秒台を出し、自身の持つ日本記録を塗り替えた。「他の人がやったことないことをやってみたい」。向上心が充実した競技人生を支えた。
 その思いはトラックを離れても変わらない。11年に長女美月ちゃんを出産。国内では数少ないママさんアスリートとして活躍した。
 母親と選手の両立は大変だった。大会や遠征で家を空けることが多く、近所に住む母親の協力なしでは続けられなかった。
 一番心苦しいのはまな娘の言葉。「『きょうはママ帰ってくる?』と聞かれるのがつらかった。たぶん、我慢していたんだと思う」
 報われたのもわが子の言葉だった。将来の夢を聞くと「『ママみたいに走る選手になりたい』と言ってくれる。それだけで幸せ」。潤んだ瞳は優しい母の顔だった。(剣持雄治)


2016年10月31日月曜日


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