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<山形知事選>自民 党本部と県連に温度差

菅官房長官はインフラ整備などの要望を受けた際、知事選に立候補を表明している吉村知事を激励したという=10月26日、首相官邸(山形県提供)

 任期満了に伴う山形県知事選(1月5日告示、22日投開票)で、自民党の本部と山形県連の間で、3選立候補を表明している現職吉村美栄子知事(65)に対する温度差が浮かび上がっている。党幹部らがここ1カ月ほどの間に相次いで吉村知事と面会、民進党に近い知事の3選を容認するかのような発言をしている。党中枢の振る舞いに、対立候補擁立を模索する県連執行部は神経をとがらせ、擁立作業に影を落としている。

<菅氏「頑張るように」>
 菅義偉官房長官から吉村知事に電話が入ったのは10月中旬。「応援しているから知事選は一生懸命に取り組みなさい」。そんな内容だったと知事周辺は明かす。
 10月26日午前、菅官房長官は首相官邸で吉村知事と会った。面会趣旨は山形県内の高速道路整備促進などを求める要望。一通りやりとりを終えると、菅官房長官は「地方創生のためにも、まずは知事選を頑張るように」と発言したという。
 吉村知事は31日の定例記者会見で一連の経緯について問われ、「今話すと波紋が広がりかねないので控える」とかわした。

<元参院議員が指南役>
 「知事に菅氏と直接会うよう指南したのは自民党の元参院議員岸宏一氏」と明かすのは複数の関係者。山形選挙区の参院議員を今夏まで3期18年間務めた岸氏は政界に広い人脈を持ち、吉村知事を初当選の時から支援してきた。「あうんの呼吸というやつかな」と岸氏本人も否定はしない。
 そもそも党本部と県連の温度差が表面化したのは10月7日にさかのぼる。陳情のため、自民党本部を訪れた吉村知事に、二階俊博幹事長は「次の知事選はとにかく頑張りなさい」と、菅官房長官と同様の言葉を掛けたのが始まりだ。
 その場には自民党の大沼瑞穂参院議員や野川政文県議会議長、県の経済人もいた。二階氏の発言に、同席者の一人は「幹事長の意図を感じた」と振り返る。

<連続無投票を阻止へ>
 菅、二階両氏の発言の裏には、吉村氏が先行する選挙情勢が関係しているとの観測が専らだ。吉村知事の2期連続無投票当選阻止を目指し、独自候補擁立に向けて作業を続ける県連サイドは穏やかでない。
 複数の自民党関係者によると、吉村知事と二階氏との面談を後で知った県連会長の遠藤利明衆院議員(山形1区)は、「陳情は県連を通して受けてほしい」と党本部にクレームを入れたという。
 「県連が対立候補の擁立に汗をかいている時に、党の幹部は…」。県連の金沢忠一幹事長は言葉を選びながら不快感を示す。
 県連内では対立候補として県議の大内理加氏(53)の名が挙がるが、擁立作業は一向に進まない。背景に党中央と県連の温度差があるとの見方が出ている。
 知事選の告示まで約2カ月。党本部の真意が果たしてどこにあるのか。県連執行部は、中央、そして地元の風向と風力を併せ読む難しい選択を迫られている。


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2016年11月01日火曜日


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