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<原発事故>廃炉費増「国民負担せず」

 東京電力ホールディングスの広瀬直己社長は31日、東京都内で記者会見し、福島第1原発の廃炉費用が想定より大幅に増えることが確実になったことに関し「新たな国民負担はお願いしないつもりだ」と述べ、自社で費用を捻出する考えを改めて強調した。
 東電の経営改革や廃炉支援策を検討する経済産業省の「東電改革・1F問題委員会」で、溶け落ちた核燃料の取り出し作業により、費用が現状の年間800億円から数千億円に膨らむ見通しが示された。費用を一括で計上すると債務超過に陥る恐れがあることから、広瀬氏は会見で「対策を考えていただきたい」と政府に求めた。
 再建の柱と見込む柏崎刈羽原発が立地する新潟県の知事に、原発再稼働に慎重な米山隆一氏が就任したことについては「まずは話し合いたい」と述べ、面会を申し入れたことを明らかにした。
 東電委員会が、25日の会合で原発事業を分社化して他社と提携させる案を打ち出したことに対しては「議論を待ちたい」と述べ、具体的な評価を避けた。複数の大手電力首脳は、原発の運営などで東電と提携することに消極的な見解を示している。
 東電は、廃炉費用の増加などで財務体質が悪化する恐れがあるため、9月から再開する計画だった社債発行を見送った。広瀬氏は「年度内に発行する考えに変わりはない」と強調したが、2016年度に3300億円分を発行する計画の達成は困難な情勢だ。


2016年11月01日火曜日


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