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<千葉麻美>女子短距離牽引「幸せだった」

引退会見する千葉(左)と東邦銀行の川本監督

 陸上女子400メートルの日本記録保持者の千葉麻美(31)=東邦銀行=が31日、福島県庁で引退会見を行った。福島県矢吹町出身で、福島を拠点に世界で戦った。「福島県の皆さんに育ててもらった」と感謝の言葉を述べた。
 旧姓は丹野。矢吹中で陸上を始め、郡山東高、福島大、東邦銀行など一貫して地元で競技を続けた。「約20年間、幸せなアスリート人生だった。充実した気持ちで引退できる」と笑顔を見せた。
 2008年北京五輪で女子400メートルと同1600メートルリレーに出場。世界と差があるとされた日本の女子短距離を引っ張った。11年に女児を出産した後も走り続け、国内では数少ないママさんアスリートとして活躍した。
 今後は東邦銀行に勤務しながら、「福島の子どもたちが世界を目指せるよう、微力ながらお手伝いしたい」と後進を育てる。
 福島大時代から指導する東邦銀行の川本和久監督(58)は「日本の女子短距離陣を世界に連れて行ってくれた。アスリートとしての主体性がないとここまで来られない」と功績をたたえた。

◎4年間死ぬ気で頑張ったが…

 記者会見での千葉との主なやりとりは次の通り。

−引退を決めた理由は。
 「2012年ロンドン五輪の出場を逃し、『娘に五輪で走る姿を見せたい』と4年間は死ぬ気で頑張ったが、簡単ではなかった。体もそろそろ限界と感じ、引退を決めた」

−競技生活を支えたものは。
 「子どもの頃から走るのが大好きで、負けず嫌いだった。男の子に負けるのが嫌で、(自分の)前に人がいるのも嫌いだった」

−つらかったこと、良かったことは。
 「09年に右膝をけがし、09年、10年は思うような走りをできなかったのがつらかった。良かったことは、北京五輪に1600メートルリレーで出場でき、みんなでバトンをつなげたこと」

−母親と現役選手を両立させ、多くの女性アスリートの力になった。
 「結婚、出産で競技をやめる選手が多かった中、少しはやれるという見本を見せられたかな。女性アスリートとしての選択肢を増やせたことは良かった」
 −ずっと福島県を拠点に競技を続けた。
 「県外に出ようと思ったことは一度もない。その中で、福島大に川本監督がいた。ベストな大学があった。良い指導者に恵まれ、幸せな環境だった」

−女子400メートルで世界の決勝レースに進むために、後進に期待することは。
 「私の日本記録(51秒75)ではなく、その上を目指さないと、世界では戦えない」


2016年11月01日火曜日


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