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<大型放射光施設>宮城大新学長 誘致に援軍

東北放射光施設推進会議が描く新施設の概要図

 宮城大の次期学長に1日内定した川上伸昭氏(60)は、文部科学官僚として先端科学分野の行政に精通する。文科省が大型放射光施設の新設へ本格的な検討を開始する中、「オールジャパン」で東北への誘致を目指す関係者には心強い「援軍」となりそうだ。
 同日あった学長選考会議の意見表明で、川上氏は「東北の地に戻って発展に寄与できるチャンスをいただけた」と地域貢献に決意をにじませた。
 文科省は7日、次世代の放射光施設を検討する小委員会の初会合を開く。村井嘉浩宮城県知事は10月31日の定例記者会見で「非常に大きな動き」と歓迎した。
 今後、全国各地で誘致合戦も予想される。村井知事は「松野博一文科相は松下政経塾の先輩。応援を信じている」とも述べ、人脈を活用した政治力の発揮に強い意欲を示した。
 東北大など東北の国立7大学は2012年6月、東北放射光施設推進会議を設立した。リング型で全長約350メートル、炭素や窒素など軽い元素の詳細な解析を得意とする施設の実現を目指す。製薬や化粧品、肥料など身近な産業分野に積極利用できるという。
 推進会議は今月中旬、施設に必要な装置のコンペを東京で実施。全国の研究者らが参加し、東大や阪大の教授、民間企業の開発担当役員らが審査に当たる。
 東北大多元物質科学研究所の高田昌樹教授は「新施設の必要性について認識は広まっている。『オールジャパン態勢』になってきた」と話し、機運の醸成に手応えを感じている。
 欧米やアジア各国で新産業開発に向けた放射光施設の新設が続く。日本の産業界には、競争力後退への危機感が強い。東北経済連合会は、約300億円とされる建設費の一部を民間で賄う財団設立を目指しており、全国の企業から賛同の輪が広がっているという。
 地元への施設誘致に取り組む宮城県内のある首長は、各界や川上氏の動向を念頭に「これまでの活動が実になる重要な時期だ。要望を強めていく」と語った。


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2016年11月02日水曜日


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