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<台風10号>被災サケふ化場 代替生産6割

 台風10号豪雨で壊滅的な被害が出た岩手県のサケふ化場4施設で、本年度生産予定だった稚魚計約8900万匹のうち、代替生産できるのは約6割の5500万匹程度にとどまる見通しであることが分かった。採卵に必要な秋サケの回帰シーズン最盛期を前に、稚魚の生産予定分は被災を免れたふ化場に割り当てるが、各施設で卵の収容量に限度があり全てをカバーできない。来春放流の稚魚が回帰する3〜5年後の漁獲量に影響が出るとみられる。
 県によると、浸水や損壊の被害に遭ったふ化場10施設のうち、下安家(あっか)と小本(おもと)(岩泉町)、県営県北(野田村)、松山(宮古市)の4施設は被害が甚大で稼働停止が続く。被害額は計18億1530万円。
 県全体の来春の放流予定稚魚数は4億30万匹。うち稼働停止となった4施設で約2割の計約8900万匹を生産する予定だった。
 本年度のサケの回帰予測数は392万匹で、前年度と比べ82万匹増える見込み。今年は12月上旬に主群の4歳魚の回帰が集中するとみられ、採卵時期が偏ると、各施設で割り当て分をさばき切れなくなる。
 県内のサケの稚魚放流数は、東日本震災の津波でふ化場が被災して落ち込んだ2012年の2億9100万匹から徐々に回復し、14年以降は4億匹前後で推移している。
 県水産振興課の中井一広振興担当課長は「回帰が集中して一気に採卵数が増えると、処理し切れなくなる。臨機応変に余裕のある施設に卵を入れて対応するしかない。関係団体との調整を進める」と話す。


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2016年11月02日水曜日


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