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<イオン誘致>伊達市動き再燃 福島市は反発

大型商業施設の計画地。区画整理事業による実現を目指し、看板の掛け替え作業が行われた=10月19日、伊達市堂ノ内

 福島県伊達市にイオンを核にした大型商業施設を誘致する20年来の計画を巡る議論が、にわかに熱を帯びてきた。出店を規制する福島県の条例施行などで計画は頓挫を繰り返してきたが、伊達市などが10月、区画整理事業によって立地を目指す方針を新たに打ち出した。隣接する福島市は「中心部の空洞化を招く」と即座に反対を表明。計画はまたも混迷しそうな雲行きだ。(福島総局・柴崎吉敬)
 伊達市役所で10月16日、区画整理事業の推進に向けた覚書の調印式があった。終了後に記者会見した地権者代表は「福島県北全体の振興を念頭に置いている」と強調した。
 仁志田昇司市長は「市として全面的に協力する」と約束。イオンモール(千葉市)の岩本馨専務は「他県の消費者も獲得できる。関係者一丸で進めていく」と実現に意欲を示した。
 計画地は国道4号沿いの同市堂ノ内地区の約19ヘクタール。イオングループが1995年、合併前の伊達町に立地を打診した場所で、東北中央自動車道のインターチェンジ予定地に接する。
 これまでの経緯は年表の通り。地元住民らが求めた市街化区域編入は県に認められず、市街化調整区域への出店を規制する「商業まちづくり推進条例」が2006年に施行され、誘致は一段と困難になった。
 地権者らが新たに打ち出したのが区画整理事業による手法。事業主体となる組合設立が認められ、区画整理事業が進むことになれば「公共性が高い」と判断されて市街化区域編入の道が開けると期待する。
 福島市はすぐさま反応した。覚書が調印された翌日の17日、市商工会議所、市商店街連合会との連名で、組合設立を認めないように県に要望した。
 両市は真っ向から対立する。地権者らは「大型商業施設は県北全体の起爆剤になる」と主張。伊達市の担当者も「宮城、山形への買い物客流出が深刻な上、東北中央道がつながれば相馬市にも流れてしまう」と大型店の必要性を強調する。
 一方、福島市の小林香市長は記者会見で「(伊達市での)大型店立地は福島市内の商店街に大打撃を与える。影響は県北全体に及ぶ」と述べた。
 注目されるのは県の判断だ。内堀雅雄知事は10月31日の定例記者会見で「コンパクトで持続可能なまちづくりを基本に、社会情勢の変化を踏まえ、関係自治体の意見を聞きながら総合的に検討していく」と慎重な言い回しで語った。
 構想の行方はどうなるのか。伊達市側は今後、桑折、国見両町といった隣接自治体の理解を求め、県北地域全体での合意形成につなげていく構えだ。


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2016年11月02日水曜日


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