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<原発避難>水田で放牧 希望の芽生える

水田放牧試験地に芽生えた牧草を見る山田さん

 東京電力福島第1原発事故の避難指示解除が来年3月末に迫る福島県飯舘村の松塚地区で、稲作の担い手がいなくなる水田を牛の放牧地に活用する試験の準備が進んでいる。発案者の地元農家山田猛史さん(67)らが来年5月の放牧開始に向け、2日まで3日間かけて牧柵の支柱を設置。餌となる牧草も芽生え、希望の淡い緑が一面に広がる。

 山田さんは和牛繁殖農家で、現在避難先の福島市内で38頭を飼っている。水田放牧試験は、除染を終えた山田さんの水田6枚(計2ヘクタール)を使う。福島県畜産研究所が日本中央競馬会などの助成を得て協働する。
 水田のあぜを撤去し平地にした試験区と、あぜを雑草抑制シートで覆った試験区に二分し、3頭ずつ牛を放牧。研究所は除染後の土から牧草や牛への放射性物質の移行の有無や安全かどうかを継続的に調査し、被災地の農業再生策として提案したい考え。
 準備作業は同県職員や応援するNPO法人「ふくしま再生の会」メンバーが担い、イノシシの侵入防止も兼ねて電気を通す牧柵の支柱を試験地の周囲約600メートルに設置した。除染対象外のあぜで牛が草を食べないように、雑草の繁茂を防ぐシートも張り巡らせた。
 牧草は、9月の長雨のため1カ月遅れて10月初めに種まきが行われ、長さ3センチほどに育った緑の葉が試験地一面に広がっている。山田さんは「牧草が伸びる来年5月中には避難先の畜舎から牛6頭を移せる。安全が確認されたら、再来年から村で本格的に畜産を再開し、放牧地も広げたい」と期待する。


2016年11月03日木曜日


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