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<仙山連携>交流の深化期待

 【解説】奥羽山脈を背に寄り添うツインシティーが、包括連携のスタートラインに立った。市民や企業の活発な仙山圏交流の実績が、仙台、山形両市を動かしたと言える。地域をけん引する県都同士だけに、人口減など東北の将来を見据えた政策展開が求められる。
 仙台市は包括連携の意識が薄かったが、山形市のラブコールで急接近。「防災」「観光・交流」「ビジネス支援」「交通ネットワーク」の4分野で連携する。
 両市の真意はやや異なる。山形市は仙台市への近さをてこに、定住人口の増加を目指す。利便性向上の決め手として、交流促進の先にJR仙山線の高速化と太白区秋保と山形市山寺を結ぶ「二口トンネル」整備を見据える。
 仙台市は本年度、東北連携推進室を新設した。県庁所在市への支援を模索するが、各市は仙台の独り勝ちを案じ、反応は鈍い。仙台の活力は東北各県の活力があってこそであり、山形市と互恵関係を築き、他都市に波及させたい考えだ。
 民間を中心に、仙山圏は一つの生活圏として成熟している。1日最大80往復の高速バスが走り、平日は通学・通勤客、週末は行楽・買い物客が行き交う。両市に本店を置く地銀、第二地銀同士が県境をまたいで食や製造業の商談会を開く。
 この状況を見れば、両市の連携が単なる交流促進では物足りない。観光やビジネスを仙山圏のパッケージで国内外に売り込むような工夫が欲しい。
 例えば民営化した仙台空港の活用。圏域への訪日外国人旅行者の誘客や、アクセス改善に向けた交通事業者間の調整は、両市の腕の見せどころだろう。
 鉄道や道路など交通網の整備は、両市だけで実現できない。鉄道会社、国、県への要望に説得力を持たせるためにも、市民や企業に利用を促し、人や物の交流実績の上積みが必要だ。まずは両市が新年度、どんな事業を始めるのか、注目したい。(山形総局・須藤宣毅、報道部・関川洋平)


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2016年11月03日木曜日


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