広域のニュース

<仙山連携>両市長が描く将来展望は?

仙山交流の現状認識などを語る奥山仙台市長
包括的な連携協定への期待感を語る佐藤山形市長

 仙台市と山形市は仙山圏の活性化を目指す包括的な連携協定を結び、担当者レベルで情報を共有しながら、広域連携を本格化させる。締結式に臨んだ奥山恵美子仙台市長と佐藤孝弘山形市長に、協定の意義や行政の役割、将来展望などを聞いた。


◎観光分野すぐにも行動/仙台市長・奥山恵美子市長
 
 −仙台、山形両市の交流の現状をどう見ているか。
 「民間ベースで極めて活発に進んでおり、今回の協定は火のないところに煙を立てるものではない。既に燃えているものを、枠組みを整えてさらに燃え上がらせることが期待される」
 「行政でなければ進めにくい部分もあるだろう。例えば、民営化した仙台空港を自治体の観光行政にどう位置付けて(両市の観光を)活性化させるかは、行政が担う部分が大きい」
 −協定を締結し、今後は具体的な成果が問われる。
 「すぐ行動に移せるのは観光分野。仙台市には現在、タイのテレビドラマの撮影チームが来ている。こうした撮影の誘致を長期的な観光戦略の中で考えるなら、山形市とは誘致の相手先や撮影場所など相談する要素がいろいろある」
 −山形市からは交通網整備に対する要望が挙がる。
 「交流規模拡大には欠かせない要素だ。両市間には国道48号、高速道、鉄道の3種類のメインルートがある。それぞれが抱える課題を解決することが重要だ」
 「国道48号は冬季に何度か閉鎖し、雨の程度によっても閉鎖の可能性がある。常時安定した交通環境の整備は、両市が一緒に国に働き掛ける最大のテーマだ」
 −連携の課題は。
 「ドローンを例に挙げれば、ものづくりに強い山形と、国家戦略特区の中で実験場(の整備)を提案している仙台が連携することで他地域に対抗できる。違うものを組み合わせた魅力の掘り起こしが必要だろう」


◎補完し合い相互元気に/山形市長・佐藤孝弘

 −包括的な連携協定の意義は。
 「東北は新しい時代に入った。それは世界に開かれた東北であり、仙台市はそのゲートウエー(玄関)。仙台市と一番近い隣人である山形市としての役割を果たし、お互いに元気になることが協定の意義だ」
 「仙台市と山形市は補完できる要素がたくさんある。例えば仙台市は商業が盛んで、山形市はものづくりの基盤が元気だ。組み合わせることで、プラスになるところを推進したい」
 −山形市として特に実績を積み上げたい分野は。
 「手の付けやすいソフト事業からやっていく。タイの(撮影チームが仙台に来ている)話が奥山市長から出たが、山形市は東京五輪・パラリンピックでタイのホストタウン登録をしている。そういうつながりを強化し、観光をPRする。山形大医学部に設置が予定されている重粒子線がん治療施設に、海外から来てもらうための連携もできる」
 −都市機能が整う仙台に人が流出する懸念は。
 「仙台に吸い取られる議論は昔からあるが、そういう声はかなり少なくなっている。一つの経済圏である限り、エリア全体が発展できる。それを目指すのが今回の連携協定だ」
 「ビジネスも山形市の中だけで商売して生き残っていける時代ではない。外に開放して取引をしてこそ、企業の経済活動はより活発化する。山形市から仙台市に遊びに行く人がたくさんいるが、その逆もある。心配はしていない」


関連ページ: 広域 政治・行政

2016年11月03日木曜日


先頭に戻る