広域のニュース

ナラ枯れ 北東北で拡大、伐採などで対応

 ミズナラなどの樹木が昆虫の持つ病原菌で枯死する「ナラ枯れ」が北東北3県で広がっていることが、各県の調査で分かった。岩手県では、宮古市を含む3市町で初めて被害が確認されるなど沿岸部で拡大。秋田県は15市町村で発生し被害本数も急増、青森県では国有林で初めて被害が見つかった。秋田県は新たに発生した4市町で被害木を全て伐採し、岩手、青森両県も伐採や消毒で対応する。

◎沿岸市町に被害/岩手

 岩手県は9月に一斉調査を実施。ナラ枯れ被害は宮古市重茂半島で445本、山田町船越半島で163本、大槌町吉里吉里半島で81本の計689本に上った。いずれも民有林。
 県内では2010年に奥州市胆沢区の国有林で初めてナラ枯れが確認された。これまで一関、大船渡、釜石各市でも被害があった。
 ナラ枯れは昆虫「カシノナガキクイムシ」が、繁殖のために樹木の幹に穴を開けて入り込むことで起こる。虫が持つ「ナラ菌」によって木の細胞が死滅し、根から水を吸えなくなる。
 ミズナラやカシワなどブナ科コナラ属の樹齢50年以上の老木に被害が出やすい。感染すると、早い木で1年後に枯れ始める。
 及川竜一森林整備課長は「コナラ属の樹木は製紙用のチップや木炭として使われており、被害が拡大すれば産業面で影響が出る。被害自治体と連携して駆除を進める」と話す。

◎本数1.6倍に急増/秋田

 秋田県は能代、仙北の2市と三種、美郷の2町で新たに被害を確認したと発表した。本年度に被害が発生した自治体は、この4市町を含む15市町村。
 調査は9月に実施された。県全体の被害本数は4万6600本で、2万9368本だった前年度の約1.6倍と急増した。
 県森林整備課は要因として、4、5月が高温で樹木に病原菌を持ち込むカシノナガキクイムシの活動期間が長かったことや、樹木に入り込む6、7月に少雨だったことを挙げている。

◎国有林で初確認/青森

 青森県では深浦町の国有林で14本確認された。2010年に同町の私有林で初めて2本の被害を確認して以来2例目。前回の約7キロ北で新たに見つかったため、北上が懸念される。
 県林政課によると、被害が分かったのは深浦町大間越と松神地区の国有林で計8本、大間越地区の私有林2カ所で計6本。私有林のうち1カ所は、秋田県境に近い前回の発生地付近だった。国有林ではほかにミズナラ46本に被害の疑いがあるという。
 県は既にヘリで上空から広葉樹の枯死を確認した上で、職員が現地調査を行っている。担当者は「枯死木は5年程度で倒木する恐れがあり、電線に引っ掛かったり、線路に倒れたりする危険性も高い。早期発見と防除強化に努める」と話す。


関連ページ: 広域 社会

2016年11月03日木曜日


先頭に戻る