宮城のニュース

<汚染廃棄物>一斉焼却案 首長から異論

汚染廃棄物を県内で一斉処理する方針について、市町村長からの質問に答える村井知事=3日午後7時10分ごろ、仙台市宮城野区

 東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された国の基準(1キログラム当たり8000ベクレル)以下の廃棄物の処理を巡り、3日にあった宮城県の市町村長会議では、村井嘉浩知事が県内の焼却施設で一斉処理する方針を強く要請した。首長からは「焼却以外の方法も模索すべきだ」など異論も上がった。
 県内最多の約7500トンを抱える猪股洋文加美町長は「400ベクレル以下は(国が認める)堆肥化やすき込みを進める。栗原市で進める実証実験を見た上で、町内の全量を自前で処理する」との考えを明らかにした。
 会議終了後、猪股町長は「町内の6割が400ベクレル以下。努力すれば焼却に回す量は減らせる。焼却や埋め立て施設を有する自治体に負担を掛けるわけにはいかない」と強調した。
 布施孝尚登米市長も「他の自治体に安易に処理をお願いするわけにもいかない。自力での取り組みを検討すべきだ」と持論を展開。佐藤勇栗原市長も「5年かけて住民と議論を重ねた上で、『焼かない』との結論を出した。突然、『焼きます』となれば反発は大きい」と疑問を投げ掛けた。
 仙南地域の2市7町では、広域行政事務組合が角田市に新焼却施設を建設中で、来年1月から試運転を始める。大友喜助角田市長は「試運転中に放射性物質を含む廃棄物を投入するのは現実的でない」と主張。「放射性物質は飛散せず、周囲の放射線量が上がらないことを説明し、住民に理解を求めるしかない。知事に直接説明の場に来てほしい」と求めた。
 会議でも「県は議会や住民に説明し、安全性をアピールしてほしい」(鈴木勝雄利府町長)など住民への説明責任を問う声が相次いだ。村上英人蔵王町長は取材に対し、「風評被害が一番心配だ。対策を考えてほしい」と訴えた。
 汚染廃棄物を保管する市町村が自力処理できる量には限界がある。規模が大きく、処理能力が高い焼却施設を複数持つ仙台市の対応が今後の焦点となる。
 他自治体からの廃棄物受け入れについて、奥山恵美子仙台市長は「県は『全体の計画はまだ見えない』と説明した。今は試験焼却に限定して調査、検討するとしか言えない」と話した。


2016年11月04日金曜日


先頭に戻る