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ソウル便長期運休 秋田の観光地に打撃

唯一の国際線であるソウル線が長期運休している秋田空港=秋田市

 大韓航空が運航する国際定期路線、秋田−ソウル線の運休が昨年12月から続き、秋田県内の観光地に影響が出ている。韓国の人気テレビドラマ「IRIS(アイリス)」の県内ロケ地の中には、韓国人宿泊者が激減した所もある。運航再開の見通しが不透明な中、県は「需要をアピールできれば再開される可能性はある」として、一定の観光需要が見込める冬季にチャーター便を飛ばすよう韓国内の旅行会社に働き掛けている。
 2009年3月に「アイリス」のロケがあった仙北市。今年1〜6月に市に宿泊した韓国人旅行者は計2100人と、昨年同期の3分の1以下に落ち込んだ。
 「アイリス」放映後の10年の韓国人宿泊客数は1万6600人に達した。東日本大震災後にいったん落ち込んだものの、15年に1万1300人まで持ち直した後の運休だった。「アジアからの観光客が増える中、韓国人客だけ減少している」と市農山村体験デザイン室の担当者は運休の影響を指摘する。
 秋田空港唯一の国際定期路線として、週3往復のソウル線が開設された01年度以降の利用客数と搭乗率は表の通り。利用客数のピークは09年度の3万8907人で、多くの韓国人が「アイリス」の撮影地となった仙北市の田沢湖や男鹿市などを訪れた。
 大韓航空はソウル線の運休の理由に搭乗率の低迷を挙げるが、県は、冬季は観光需要がある程度見込めるとみる。益子和秀観光振興課長は「アイリスは冬に撮影された影響で、韓国では秋田は冬のイメージ。国内旅行のオフシーズンに当たる冬の需要が見込めるソウル線は、大事な路線だ」と強調する。
 ただ、搭乗率は最高だった09年度も69.4%で、採算ラインとされる70%を超えた年度はない。震災のあった11年など利用客数が大きく落ち込んだ際には短期の運休を繰り返した。秋田発の需要を下支えした県内の中学校と高校の修学旅行で、14年の韓国旅客船沈没事故のため旅行先を国内に切り替える動きが広がったことも痛手となった。
 運休が決まっているのは冬季ダイヤが終了する17年3月下旬まで。その後、運航が再開されるかどうかは不明のままだ。大韓航空日本地域本部(東京)の旅客チームの担当者は「全国的な態勢見直しの一環。再開は需要や機材繰りなどから総合的に判断する」と述べるにとどまる。
 県は需要創出を図るため、チャーター便を来年1、2月ごろに飛ばすよう韓国の旅行会社数社に働き掛けている。益子課長は「需要があることをアピールして運航再開につなげたい」と期待をかける。

[IRIS(アイリス)]2009年10〜12月に韓国で放映され、高視聴率を記録したアクションドラマ。主演は人気俳優のイ・ビョンホンさん。秋田県内各地で撮影され、日本でも10年に放映された。13年に制作された続編「IRISU」も鹿角市など県内でロケが行われた。


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2016年11月04日金曜日


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