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<大川小訴訟>県議会への説明不十分を陳謝

控訴方針を専決処分で決めた理由を全員協議会で説明する村井知事=4日、仙台市青葉区の宮城県議会棟

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族への損害賠償を石巻市と宮城県に命じた仙台地裁判決を巡り、村井嘉浩宮城県知事は4日、県議会棟であった県議会全員協議会に出席し、控訴方針を専決処分で決めた経緯を説明した。村井知事は「議会への説明が不十分だった」と陳謝した。
 全協は、県議会に諮らず控訴を決めた村井知事に説明を求めるため、中山耕一県議会議長が招集。原告の遺族6人が傍聴した。
 村井知事は「石巻市議会が控訴の議決をした。市の判断を尊重し、県も速やかに方針を決め、手続きを進める必要があると考えた」と釈明。「県議会に事前の説明が十分できなかったことをおわびする。大変申し訳ない」と頭を下げた。
 控訴の理由として(1)津波襲来の予見は不可能(2)教員が決めた避難場所が不適当とされた(3)教員の努力を否定し、過失責任を認定した−との3点を挙げた。
 村井知事は「裏山は集団の避難先としては不適切と考えており、判決の内容は現実的ではない」と強調。「全力で児童たちを救おうとした教職員に対し、一方的に責任を負わせて断罪することは受け入れられない」と訴えた。
 会派間の事前の協議で議員の質疑はしないと申し合わせていたが、2人の議員が「和解する考えはないのか」「なぜ質問できないのか」と迫る場面もあった。
 最大会派の自民党・県民会議(32人)の佐藤光樹会長は「苦渋の決断は伝わった」と理解を示した上で、「議会軽視と言われても仕方がない」と指摘。民進党系のみやぎ県民の声(10人)の藤原範典会長は「独断で専決処分を決めた判断は間違っている」と批判した。
 控訴方針について、公明党県議団(4人)の庄子賢一会長は「裁判を長期化させ、遺族を苦しめるのは賢明ではない」と疑問を呈した。共産党県議団(8人)の遠藤いく子団長は「遺族に寄り添い、和解の道をつくってほしい」と求めた。
 村井嘉浩知事は取材に「一方的ではあったが、誠心誠意の説明はできた。高裁の場でしっかり県の主張を訴えたい」と述べた。


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2016年11月05日土曜日


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