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<大川小訴訟>遺族「無用な争いはやめて」

県議会の半数を超える31人の議員が出席した大川小遺族との意見交換会=4日、県議会棟

 東日本大震災で犠牲になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が石巻市と県に損害賠償を求めた訴訟で、4日にあった県議会全員協議会は質疑なしの30分足らずで終了した。傍聴した原告遺族6人は、控訴を決めた村井嘉浩知事の説明に失望感を募らせ、議員との意見交換会で「控訴を断念してほしい」と強く訴えた。
 「無用な争いはやめてほしい。最大被災地の宮城から、当事者同士の争いではなく子どもの命を守ることの大切さを発信していくべきだ」。意見交換会の冒頭、原告団長で当時6年の長男を亡くした今野浩行さん(54)は思いを吐露した。
 遺族は村井知事の控訴理由に相次いで反論した。3年の長女を失った只野英昭さん(45)は「知事は『教員たちが川の堤防を避難先に選んだのはあの時点ではベストな判断』と発言したが、川の近くへの避難がベストということはあり得ない」と批判した。
 村井知事の「判決は教員を一方的に断罪している」という主張に対し、6年の三男が犠牲になった佐藤和隆さん(49)は「判決が出た際、『先生を断罪』と表現したことはやり過ぎだった」と謝罪。「亡くなった先生を責めているのではない。学校や行政の責任を問うている」と強調した。
 5年の次女を失った紫桃隆洋さん(52)は、震災後に大川小を訪れた村井知事が「救えた命だった」と語ったことに触れ、「あれが知事の本心だったと思う。判決後の(変節した)知事の言葉が胸に突き刺さり、つらい」と語った。
 遺族との意見交換は、みやぎ県民の声(10人)と共産党県議団(8人)の呼び掛けで実現。自民党・県民会議(32人)の8人を含む5会派の計31人が出席した。議員からは遺族に同調する意見のほか、和解を探る提案などが出された。
 3年の一人息子が亡くなった佐藤美広さん(55)は「息子はもう帰ってこない。市や県は起きたことを反省して受け入れ、次につながる学校防災を真剣に考えてほしい」と要望した。


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2016年11月05日土曜日


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