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<ベガルタ飛躍へ>三田加入 中盤が安定

富田(手前)と三田(左)が好連係を披露。強敵鹿島を3季ぶりに下した=3月12日、ユアスタ仙台

 J1仙台は13勝4分け17敗、勝ち点43の年間12位で今季リーグ戦を終えた。勝ち点、順位は共に昨季を上回り、スローガン「Build Up(ビルドアップ)」(鍛え上げるなどの意味)の通り、「堅守賢攻」の戦術に磨きをかけた1年だった。しかし、目標の年間5位には遠く及ばなかった。昨季に比べ成長した部分、飛躍に向けて必要な点を検証する。(狭間優作)

◎2016年成果と課題(上)チームの心臓

<連係高め強みに>
 攻守の旗振り役のボランチは、「チームの心臓」と称される。仙台は昨季、この位置で不動の富田に相方が見つからず、安定感を欠いた。だが今季は、FC東京(J1)から期限付きで加入した三田が見事に適応。弱みだった中盤は、強みに変わった。
 2人の特長が表れた象徴的な試合は、2−0で勝った6月11日の第1ステージ第15節柏戦だ。前半32分、推進力のある三田がカウンターからゴール前に駆け上がり、味方のクロスを左足で合わせて先制。一方の富田は球際の強さを発揮し、ピンチの芽を丁寧に摘み、無失点に貢献した。
 負傷や累積警告による欠場、三田が契約上出場できない移籍元のFC東京戦の計4試合を除き、そろって先発した。「連係は試合を重ねるごとに高まった」と渡辺監督。片方が欠場した試合は1分け3敗と、2人の必要性は数字にも表れた。
 富田は「タマ(三田)が攻撃に加わると、得点の可能性が広がる。自分は守備に力を注ぎやすかった」と強調する。仙台の年間MVPに輝いた三田は「渡辺監督が得意のボランチで使ってくれた。移籍を決断して良かった」と充実感を漂わせた。

<戦術にぶれ出ず>
 三田が「槍(やり)」なら、富田は「盾」。黄金コンビは「堅守賢攻」の戦術を中盤で体現した。昨季は負けが込むと、選手の理解が深まらないまま新システムを試し、混乱が生じた。監督は「今季は年間を通し、戦術にぶれが出なかった」。連敗中でも、選手からは「今の戦術は間違っていない。一つ勝てば状況は変わる」との声を多く耳にした。浮足立つことはなかった。
 下位から勝ち点を稼いだのも特長だ。17位湘南、15位新潟に各2勝し、18位福岡、14位甲府戦は共に1勝1分け。全体の白星は昨季に比べ四つ増えた。一方、首位浦和、4位G大阪、6位広島には全敗。監督は「強敵には試合中、臨機応変に戦い方を変える必要がある。今季終盤から徐々に試している」と語る。
 引き分け4はリーグで最も少ない。強豪に最低限「負けない戦い」ができれば、上位進出が見えてくる。


2016年11月05日土曜日


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