広域のニュース

<Eパーソン>東北の潜在力を喚起

大江修(おおえ・おさむ)早大卒。1980年東北電力入社。地域交流部課長などを経て、2005年東北経済連合会に出向し東京事務所長。15年6月から専務理事。61歳。塩釜市出身。

 東北経済連合会は12月に設立50周年を迎える。高度成長期に地方の社会基盤整備の必要性を国に訴え、パイプ役を務めてきた。東日本大震災を経て、観光振興や超大型加速器の国際リニアコライダー(ILC)誘致などで旗振り役となる場面が増えた。東経連が目指す地域経済の復興、再生の方向性について、大江修専務理事に聞いた。
(聞き手は報道部・村上浩康)

◎東北経済連合会 大江修専務理事

 −6月に海輪誠会長が就任し、東北の地域戦略を描く長期ビジョンの策定を進めている。
 「新潟県を含む東北7県をカバーする団体として、長期ビジョンをつくる意義は大きい。東北という一つのまとまりを意識する内容になる。東北は潜在力を生かせていない。7県が自らの力を自覚して行動し、発展につなげる契機にしたい。東経連は第三者ではなく、当事者として関わっていく」
 「特にILC誘致は、震災復興だけでなく世界の科学研究の中心が100年間、東北に存在することを意味する。波及効果はとてつもなく大きい。何としても実現したい」

 −外国クルーズ船の積極的な誘致活動、15年のミラノ国際博覧会出展で始まったイタリアとの交流など、事業の幅を広げている。
 「2月に初めて米国のクルーズ船見本市に参加した。担当者が事前に入念なリサーチを重ねて臨み、仙台港への来年4月の10万トン船寄港につなげた。普通は実現に3年を要すると言われるが、東北の熱意が伝わった結果だ」
 「東経連の人手と予算は限られるが、動くことで出会いやきっかけが生まれる。イタリアとの縁もそうだ。東北の若者とイタリアの職人との交流事業では、将来を担う若い人たちにローカルにこだわる大切さを学んでもらえたと思う」

 −今後への意気込みは。
 「東北にとって今年は、さまざまな機が熟する年。政府が東北観光復興元年を打ち出し、仙台空港は民営化された。ILCは政府の誘致判断へ国内外で動きが出てきた。東北放射光施設も産業界に必要性が理解されつつある」
 「敏感に察知して動く瞬発力がなければ『幸運の女神の前髪』はつかめない。従来の補助金などの助けを待つのではなく、東北が日本や世界をけん引する姿を発信しなければならない」


関連ページ: 広域 経済

2016年11月05日土曜日


先頭に戻る