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<ベガルタ飛躍へ>夏克服も負傷者多く

ホーム開幕戦のFC東京戦で負傷退場するGK六反。今季は主力のけがが相次いだ=3月6日、ユアスタ仙台

◎2016年成果と課題(中)想想定内と想定外

<落ちない運動量>
 2月の宮崎キャンプ。リーグ開幕戦の横浜M戦を2日後に控え、約10キロ離れた場所に練習場を変えた。渡辺監督は宿舎のミーティングで「今から行くのは敵地の日産スタジアム。そうイメージして乗り込んでほしい」と指示。移動するバスは、緊張感に包まれた。
 監督は「敵地での開幕戦は特に緊張する。環境を変えることが予行演習となり、本番で力を発揮できると思った」と語る。狙い通り、横浜Mに1−0で勝利。最高のスタートを切った。
 今季の練習中、監督は「想定内を増やそう」と選手に言い続けた。開幕戦に勝ち、「説得力が増した。試合のイメージを植え付けやすくなった」と振り返る。
 特に効果が表れたのは、苦手な夏場の戦いだ。
 今夏、練習中に厚着をさせた。大量の汗を流して足が止まりそうな選手たちに、コーチ陣は「今は後半のロスタイム。もう一踏ん張りだ」とハッパを掛けた。粘り強くなり、試合終盤も運動量が落ちなくなった。結果、7月17日〜8月20日は4勝1分け1敗。昨季(1勝5敗)、2014年(1勝3分け2敗)の同時期と対照的な成績を残した。
 守備の要、DF渡部は「監督、スタッフが夏場の管理を徹底してくれたので個々の選手も意識を高く持てた。(8月6日アウェー)鹿島戦の勝利が特に大きかった」と効果を実感する。

<練習データ蓄積>
 だが、負傷者の多さは想定外だった。元日本代表GK六反、大黒柱のMF梁勇基、攻撃の軸となるFW金園、MF野沢ら主力が次々と戦列を離れた。1カ月以上の離脱者は延べ18人と、昨季の倍以上に上った。
 今季は練習中に選手の心拍数、走る速度などを測る機器を導入したが、けがの防止に結び付かなかった。
 西形フィジカルコーチは「キャンプ前のオフが短く、選手の疲労が完全に抜けなかった。年間の気温差が大きく、体に負担がかかった」と見解を示す。一方、「機器導入で選手のデータがそろい、来季はより効果的に練習できる」と話す。
 苦手な夏を克服した今季のように、来季は負傷者の続出を食い止められるか。チームの試行錯誤は続く。


2016年11月06日日曜日


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