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<里浜写景>古里の再生へ サケ波間舞う

産卵のため、木戸川に帰ってきたサケ。長旅の疲れを癒やすように河口の波間を漂う
伝統の「合わせ網」でサケを捕る漁師=10月23日、福島県楢葉町の木戸川

 朝日を浴び、黄金色に輝く波間に1匹のサケを見つけた。福島県楢葉町の木戸川河口。古里に戻ってきたサケが淡水に体を慣らすため、サーフィンをするかのように泳いでいた。
 木戸川は本州有数のサケの遡上(そじょう)を誇っていた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で、放流は中断を余儀なくされた。昨年秋、サケ漁は5年ぶりに復活したが、7万〜12万匹だった捕獲量は約8500匹にとどまった。
 原発事故による避難指示は昨年9月に解除された。木戸川漁協は今年3月、自前で育てた稚魚を震災後初めて放流。津波で被災したふ化場も完全復旧した。
 来春には1000万匹の放流を目指している。「稚魚が帰ってくるのは4、5年先。町にも活気が戻るよう、1匹でも多く放流したい」。ふ化場長の鈴木謙太郎さん(34)はサケに地域の再生を重ねる。(文と写真 写真部・高橋諒)

[メモ]木戸川のサケ漁は11月中旬ごろまで続く。シーズン中はほぼ毎日、午前11時から伝統の「合わせ網漁」が行われ、河川敷から見学できる。サケの切り身、イクラなどを扱う直売所が、ふ化場の隣接地に設けられている。連絡先は木戸川漁協0240(25)3414。


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2016年11月06日日曜日


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