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<仙台高専>地中レーダー画像 AIが識別

地中レーダーでコンクリートブロックの中の空洞を識別する実験の様子

 仙台高専知能エレクトロニクス工学科の園田潤教授(電磁波工学)らの研究グループは、人工知能(AI)を使って地中レーダー画像を自動識別する技術を開発した。人間の判断に頼っていた物体の材質や大きさの判定の精度を高められる。東日本大震災など大規模災害時の捜索活動や、トンネルの劣化点検などでの活用が期待される。
 地中レーダー探査は、地中の物体から戻ってくる反射波の画像を基に技術者が物体を推定する。熟練度や能力によって判断にばらつきがある上、人手も足りないのが現状だ。自動識別の研究は進んでいるが、AIの学習に必要な大量のシミュレーション画像の処理に時間がかかるのが課題だった。
 園田教授は、大分工業高専電気電子工学科の木本智幸教授らとの共同研究で、画像処理用の集積回路(GPU)を複数台接続して処理能力を20倍程度向上させたシステムを開発。学習用画像20万枚の場合、従来は2年程度を要した画像作成と学習の期間を1カ月に短縮した。
 さまざまな現場を想定し事前に学習させておけば、探査時はノートパソコンがあれば自動識別ができる。
 識別能力は、深さ1.5〜2メートルの地中にある金属、木材、岩石、空洞などの存在と大きさを80%程度の確率で確認できる。石やがれきが交ざった被災地での捜索活動、打音検査に頼っているトンネルや堤防、建築物などの老朽化点検で、効率的な探査が可能になる。
 現在は衛星利用測位システム(GPS)を使った無線操縦カーの自動走行による自動探査システムを開発中。将来的にはAIによる超音波診断画像の識別など、医療分野への活用も視野に入る。
 園田教授は津波被災地でレーダーを使った不明者の捜索活動に参加しており、12月にも実際に使用する。「何がどのくらい存在するのか、今までは掘らなければ分からなかったが、この技術で遺骨なども検知できる。実用化に向け精度を高めたい」と話す。


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2016年11月07日月曜日


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