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<エコラの日々>ふろしき物語

絵・木下亜梨沙

 はるか昔、奈良時代には包む布として使われていた四角い布。時代とともに「衣包み」「平包み」と名前が変化し、江戸時代には「風呂敷」と呼ばれるようになりました。文字通り風呂で使われていて、脱いだ服を包んだり体を拭いたりしたといわれます。現代では、おしゃれに「ふろしき」と平仮名で表記されることも少なくありません。
 長年、日本人の生活で身近にあったふろしきですが、使い捨ての紙袋やビニール袋の普及で、徐々に姿を消していきました。しかし、環境問題が注目される現在、使い捨てることなく何度でも再使用でき、ごみにもならないふろしきが見直されています。
 ふろしきの使い方は一つではありません。マイバッグとしてはもちろんのこと、ギフトラッピングやインテリアに、さらにはファッションにも取り入れてすてきな味付け役として使うこともできます。
 20代の頃、スカートを手作りし、おそろいの布でスカーフも作りました。その時の大判のスカーフが、今でも愛用している私のふろしきとなり、ふろしき生活の原点です。その後しばらくして、新たな視点からふろしきの使い方を提唱している「ふろしき研究会」を知り、エコライフの実践活動と結び付きました。
 私はふろしきが大好きです。買い物などで荷物が増えても大丈夫。持ちにくいさまざまな形もひとくくりです。肩や膝に掛ければ冷房の寒さから守ってくれますし、突然の雨をしのいでくれたこともあります。
 時には敷物になったりカバーとして使ったり、ありとあらゆる場面で活躍してくれます。もはや包むだけではありません。自由自在、臨機応変に対応してくれる私の良き相棒です。
 何と言ってもほれぼれするのは、どんな物でも包んでくれる安心感と包容力。必要としないときには、ひっそりと一枚の布になって静かに出番を待つ。そんなふろしきのような人間でありたいと、いつも思っています。
 「包む」と「結ぶ」。日本人の大切に扱う「心」を後世に伝えることも、ふろしきを知る者の役割です。ふろしきの良さは使ってこそ分かるもの。知恵と工夫で、使い方が広がります。一枚の布が輝き、喜びをもたらします。
 お気に入りの布がありましたら、どうぞふろしきとして活用してください。
(ACT53仙台 佐々木良子)


2016年11月07日月曜日


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