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ダム底の記憶絶やさず 資料館再オープン

田子倉集落の様子を伝える貴重な資料が並ぶ展示室

 福島県只見町の田子倉ダムに沈んだ田子倉集落の民俗資料を展示する「ふるさと館田子倉」が今月、同町只見に再オープンした。施設は集落出身の故皆川弥(わたる)さんが古里の歴史や文化を後世に伝える目的で開設したが、皆川さんが体調を崩し2013年に閉館。翌年、70歳で死去した皆川さんの遺志を引き継ぐため、町が遺族から資料の寄贈を受け、建物を改装した。
 田子倉集落が水没したのは1959年。50戸の290人が故郷を離れた。皆川さんの父文弥さんは集落の資料収集に奔走し、銀行を退職した皆川さんが04年、実家に資料館を開いた。
 再オープンした展示室には、住民がなりわいとした狩猟や漁労の道具、生活用具、当時の写真などを陳列。中でも、「クマ撃ち」に使った鉄砲ややりは奥会津の伝統的狩猟法を伝える貴重な資料という。
 ダム建設では水利権争いや補償金などが社会問題になり、小説家たちが作品を書いたことも紹介。「無名碑」を執筆した曽野綾子さんが文弥さんに贈った手紙や色紙、直筆原稿のコピーなどが飾られている。
 町総合政策課の担当者は「集落には山や川の資源を利用した伝統的な生活があった。ダム建設の犠牲になることによって日本の経済成長に貢献したことを知ってほしい」と話す。
 観覧料は高校生以上300円、小中学生200円。休館日は火、土、日曜と祝日。10人以上の予約があれば開館する。連絡先は同館0241(72)8466。


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2016年11月07日月曜日


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