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<大川小訴訟>19遺族が控訴 防災不備主張へ

仙台高裁に控訴するため、裁判所に向かう原告遺族ら=9日午後3時25分ごろ、仙台市青葉区

 東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった宮城県石巻市大川小の児童23人の19遺族が市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、19遺族は9日、仙台高裁に控訴した。市と県は、約14億2660万円の賠償を命じた仙台地裁判決を不服として7日に控訴していた。
 遺族側は控訴審で、大津波警報発令直後など「もっと早い時点で津波襲来を予見できた」と訴える。地裁判決が、学校側の責任を認めなかった事前防災の不備や事後対応の問題を改めて主張する方針。
 代理人の吉岡和弘弁護士は「市と県が早々と控訴し、子どもたちの声が届いた判決を無視したことに怒りを覚える。控訴審ではさらに早い段階で津波を予見できたと認めてもらい、全国の学校防災に役立つ基準を打ち立てたい」と述べた。
 10月26日の判決は、教員らは2011年3月11日午後3時30分ごろに市広報車による避難の呼び掛けを聞き、津波に襲われる約7分前までには予見できたと認定。「裏山は避難場所として何ら支障がなく、堤防付近への避難は不適当だった」と学校の責任を認めた。
 亀山紘市長は9日の定例記者会見で「判決で原告の主張を退けた部分に不服があると理解している。私どもも譲れない点があり、控訴審で主張したい」と語った。市と県は、判決が認定した予見可能性と結果回避義務違反について「納得できない」と控訴した。
 判決によると、地震発生後、児童は約45分間、校庭で待機を命じられ、近くの北上川堤防付近(三角地帯、標高約7メートル)に向かう途中で津波にのまれ、児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明になった。


2016年11月10日木曜日


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