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<震災5年8カ月>狭い校庭 優しさ育てた

校歌を合唱する住民と生徒
交流を続けた野球部の部員と住民。夏の県大会初戦の朝、選手を励ました=7月13日、志津川高

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の志津川高(生徒258人)は10日、校庭に建つ仮設住宅の住民を招いたお別れ会を同校で開いた。「お隣同士」だった生徒と住民は、心を通わせ、励まし合った5年半の歳月を思い返した。
 お別れ会には全校生徒と住民25人が参加。山内松吾校長は「部活動や授業に理解をいただき感謝する。桜の時期にはまた学校に来て、明るい笑顔を見せてください」と述べた。
 式では、写真と映像で住民を招待した文化祭や音楽祭といった学校行事の様子を振り返った。野球部の夏の県大会初戦の朝、住民が手作りの旗を振ってバスを見送ったり、試合会場で応援したりしたことも紹介された。
 生徒代表としてあいさつした野球部前主将の3年及川航(こう)さん(18)は「練習中に球が仮設住宅の敷地に入り、謝りに行った時、住民の皆さんは『狭い思いをさせてごめんね』と言ってくれた。心温まる応援がありがたかった」と語り掛けた。最後に全員で校歌を合唱して締めくくった。
 会に参加した主婦佐々木茂子さん(70)は「入居当初は家や親戚、友人を失い落ち込んでいた。その時に音楽部のホルンの音が『生きろ、生きろ』と鼓舞してくれているように聞こえた」と当時を思い起こした。
 志津川高の仮設住宅は2011年5月から最大で51世帯160人が入居。現在は半数程度になり、12月末に自治会が解散する。自治会長の飲食業後藤一美さん(45)は「生徒の頑張りのおかげで住民も前向きになれた。生徒は家族のような存在。これからも高校を応援していきたい」と語った。


2016年11月12日土曜日


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