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<杜の都のチャレン人>想定外で自らを磨く

ファザーリング・ジャパン東北主催の交流会でメンバーらと語り合う工藤さん=仙台市青葉区

◎育児を楽しむパパを増やそうと活動する/工藤賢司さん(42)

 パパであることを楽しむ男性が増えてほしい。昨年12月、仲間と共に父親の子育て支援に取り組む「ファザーリング・ジャパン東北」を設立した。今年2月にはNPO法人化し、代表理事兼宮城代表に就いた。メンバーは東北6県に約40人。趣旨に賛同する女性の参加も歓迎する。
 ここ数年、部下の仕事と育児の両立を応援しようと「イクボス宣言」をする知事や企業経営者が、全国で次々に現れだした。追い風に乗り、自治体や企業からワーク・ライフ・バランスをテーマにした講演の依頼が増えている。
 「育児では、想定外の事が次々に起きる。知的創造力やマネジメント力などが身に付き、仕事の業績アップにもつながる」と説く。
 小学6年と4年の2人の娘がいる。非常勤の職に就き、家事や育児に携わる時間は地方公務員の妻(44)よりも長い。
 大学卒業後、仙台市でIT企業に就職し東北6県と北海道の得意先を飛び回った。結婚しても家事や育児は妻に任せきりだった。
 転機となったのは2011年3月の東日本大震災。子育て支援の起業を志し、7月に会社を辞めた。だが軌道に乗らず、家に居る時間が増えたので家事をするようになった。最初は洗濯物のしわを伸ばして干すといった配慮もできず、妻に指摘されて落ち込んだ。妻の日頃の苦労が身に染みた。
 12年4月、軽い気持ちで娘たちの小学校のPTA会長を引き受けると、地域活動にも引っ張り込まれた。今では近所に知り合いが増え、日常がとても充実している。
 最近、講演の締めくくりにこんな話をするようになった。「皆さん、片手を挙げてください。お母さん指(人さし指)と赤ちゃん指(小指)はくっつけにくいけれど、先にお母さん指とお父さん指(親指)を付けておけば、3本は合わせやすくなる。子育てとは、そういうことなんです」(智)

<くどう・さとし>74年札幌市生まれ。石巻専修大理工学部卒。病気休職者の復職を支援する仙台市内の団体で非常勤職員として働き、「第1種兼業主夫」を名乗る。仙台市PTA協議会常任理事。同市泉区在住。


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2016年11月12日土曜日


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