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温熱療法 末期がんの治療に 副作用なし

専用装置の操作を見守る中井院長(左)

 末期がん患者の心身の苦痛を和らげる緩和ケアを行う仙台市泉区の有床診療所「たんぽぽクリニック」(19床)が今月、がん細胞を温めて死滅させる温熱療法(ハイパーサーミア)を始めた。副作用の心配はなく、中井祐之院長(77)は「早急な効果は出なくても、治療を続けることが患者の心の支えにつながればいい」と話す。
 温熱療法は、がん細胞が熱に弱い性質を利用した治療法。専用装置の二つの電極板で患者の体を病巣を中心にして挟み、電磁波を出してがん細胞を局所的に加温し、徐々に壊死(えし)させる。
 一般的には、病巣を40〜42度で約40分間温める治療を週1回ペースで続ける。眼球や脳、血液以外の多くのがん治療に対応でき、健康保険の適用対象となる。
 温熱療法は専用装置が高額であることなどから普及が進んでいない。一般社団法人日本ハイパーサーミア学会(京都市)が認定する医療機関は10月末現在、東北では郡山市の総合南東北病院のみだ。
 たんぽぽクリニックは4月に開院10周年を迎え、泉区上谷刈から泉中央南への新築移転を機に導入を決めた。他の医療機関で放射線療法や化学療法を受ける患者も、主治医の紹介があれば受診できる。
 ホスピスケアに重点を置く小規模な医療機関が温熱療法に取り組むのは、東北では珍しいという。中井院長は「今後は学会で治療成績の報告を積み重ね、学会認定を取ることも目指し、治療を続けていきたい」と話している。


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2016年11月12日土曜日


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