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<手腕点検>「人づくり」にまず重点

「小さな町からグローバル企業で活躍する人材を輩出したい」と力説する寺沢町長=10月22日、七ケ浜町の七ケ浜国際村

◎2016宮城の市町村長(16)七ヶ浜町 寺沢薫町長

 「町の復興をさらに進める上で、キーワードになるのが人づくりです」。弁舌が熱を帯びた。
 10月22日、七ケ浜町の七ケ浜国際村。寺沢薫町長(62)は、ブラザー工業(名古屋市)の小池利和社長との対談で、町が始めた「グローバル人材育成プログラム」の意義を強調した。
 事業は町長自ら発案した。乳幼児から中学生までの英語教育に力を入れ、英語で自分の意見を述べ、主張できる人材の育成を狙う。
 「東北で最も狭い町で大工場を誘致する土地はない。子どもたちにコミュニケーション能力という財産をあげたい」と持論を述べた。
 町民バス「ぐるりんこ」は、今月1日から新しい路線を設け、便数を増やすなど利便性をアップさせた。
 人材育成、交通対策ともに、昨年9月の町長就任時に掲げた六つの重点施策に含まれる。今年夏の菖蒲田海水浴場のプレオープンは、復興工事の途中で慎重論が根強かった中、トップダウンで開催を決定。2年目に入り、矢継ぎ早に自らのカラーを打ち出した。

<チームプレーで>
 七ケ浜町出身。町職員となり、地域福祉課長、政策課長、総務課長を歴任し、退職。昨年の町長選で無投票で初当選した。祖父は町長を務めている。
 「議会対応も遺漏がない。今のところ文句のつけようがない」と大町睦夫議長(70)は評価する。岡崎正憲副議長(72)は「動きながら考えるタイプ。前町長とは対照的だ」と分析する。
 同じ町職員出身で3期務めた前町長の渡辺善夫氏(74)。「将来にツケを残さない財政運営」が信条で、「急がば回れ」の堅実路線を貫いた。
 寺沢町長は町職員時代に渡辺氏の薫陶を受けた。後継者とも言えるが、「実務派路線を踏襲しつつ、一歩前に踏み出そうとしている」と岡崎副議長は見る。
 議会答弁は前町長と大きく異なる。渡辺氏がほぼ全ての質問に答えていたのに対し、寺沢町長は各課長に振る。「これからはチームプレーでいくしかない」。対外的に公にしていない七つ目の重点施策「職員力アップ」への意欲がにじむ。

<ベテランに遠慮>
 周囲の自治体は、5期目の鈴木勝雄利府町長(72)、4期目の佐藤昭塩釜市長(74)、3期目の菊地健次郎多賀城市長(69)らベテラン首長がずらり。会議などで席を並べると「相当に遠慮している。様子見をしている感じ」と、部下や町議は口をそろえる。
 「そもそも無投票当選という『推薦入学』。他の首長と違って存在感があるわけではない」と寺沢町長自身も認める。「首長が目立ってもどうかという思いもある。仙台圏での立ち位置を考えたい」と、自分なりの首長像を模索する。
(塩釜支局・山野公寛)


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2016年11月13日日曜日


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