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<台風10号>大工不足 被災家屋補修進まず

1階が浸水して流し台などが流され、壁や床がむき出しになった八重樫さん宅の台所。食事はガスこんろを使って準備する=岩手県岩泉町岩泉

 台風10号豪雨で甚大な被害が出た岩手県岩泉町で、被災から2カ月以上たっても補修工事が進まない家屋が目立つ。大工の不足が原因で、町や建築士会は町外に応援を求めている。被災家屋では浸水を免れた2階で生活する住民も多く、町は補修や新築を巡り、国の支援金に上乗せする独自支援も始めた。地元工務店は「泥出しを終え工事はピークを迎えるが、人手が足りない。多くの応援が必要だ」と訴える。

<工期遅れに不安>
 同町岩泉の無職八重樫光男さん(67)宅は、小本(おもと)川の氾濫で高さ1メートル45センチまで浸水し、全壊と判定された。1階の台所などは流されたが、シャワーやトイレは使えるため妻、長男と共に2階で暮らす。愛犬も一緒だ。
 泥出しは9月に終えて補修工事を頼んだが、地元工務店は仕事が立て込んでいて手が回らない。「仮設住宅に入るより家を直す方が早いと思った。順番だから仕方ないが、今月中には工事が始まってほしい」と不安を募らせる。
 家屋が被災した世帯には工事内容に応じ、国から被災者生活再建支援金が支給される。新築の場合は最大300万円、補修は最大200万円が出るが、被災者にとって工期の遅れは大きな不安材料だ。
 同町門の自宅が全壊し、町内の次女宅に身を寄せる無職伊東勝幸さん(73)は9月上旬にハウスメーカーに補修を依頼した。引き渡しは12月末の見通しだ。「娘に迷惑を掛けられない。工期が年を越さないか不安だ」とため息をつく。

 <あと100人ほしい>
 同町で工務店を営む県建築士会岩泉支部長の西倉正三さん(68)によると、町内の工務店は流木の撤去や私道の復旧作業で余裕がない状態が続く。
 町は補修する家屋が390棟、新築は140棟と見込む。西倉さんは「毎日のように工事の相談を受けるが、待たせてしまっている。町外に呼び掛けて300人近くの大工が入っているが、あと100人ほどいたら助かる」と話す。
 補修工事は1棟2〜3週間かかり、費用は平均500万円ほどという。町は新築に最大200万円、補修に最大100万円を補助する独自の追加支援に乗り出した。町地域整備課の担当者は「雪が降る前に最低限の修繕は終えたい」と話す。


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2016年11月13日日曜日


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